【メルカリvs買取】Nikon Ai-S 28mm F2.8は”値段の前に型を見るレンズ”|売れたAi-Sのまんなかは35,800円、前玉にスレの1本は13,000円

Nikon 28mm F2.8|Ai-Sと書いた17件のまんなか35,800円、Aiと書いた14件のまんなか12,400円。値段の前に、距離の数字の0.2を見る 比較・まとめ

こんにちは!

アメリカにもEUにも送りにくくなって、手元のレンズを国内で売ろうかと考えている。ただ、前玉に薄いスレがある。メルカリに出すならいくらにするのか、それとも買取なのか。メルカリvs買取シリーズの6号目は、値段を入れる手前で手が止まっている人のための回です。はじめてレンズを取り上げます。Nikonのマニュアルフォーカスの28mm F2.8です。

AiとAi-Sの見分け方は、私も知っていました。知らなかったのは、そのちがいが「どこまで寄れるか」に出ることです。Ai-Sが0.2mまで寄れることは、知りませんでした。2026年7月に、前玉に薄いスレのあるAi-Sを13,000円で売ったときの話です。名前は1文字ちがい。でも、メルカリの売り切れを型ごとに並べると、まんなかの値段は約2.9倍ちがっていました。

このシリーズでは毎回、冒頭で「メルカリか、買取か」の答えを書いてきました。今回は、それが書けません。代わりに、調べて言えたことと、言えなかったことを分けて並べます。

言えたことは3つです。

  • 同じ「28mm F2.8」でも、メルカリで売れた値段のまんなか(中央値)は、Ai-Sと書いた出品が35,800円(17件)、Aiと書いた出品が12,400円(14件)。約2.9倍の開きがありました
  • どちらの型なのかは、レンズの距離目盛りで確かめられます。近い側の端に「0.2」があれば、Ai-Sの仕様(ニコン公式)と合います
  • 買取店が公開している上限も、同じ店の中でAi-SはAiの約3.1〜4.8倍でした

言えなかったことは2つ。

  • 前玉にスレのあるAi-Sが、いくらで売れるのか。同じ難を書いた売り切れが、調べた33件の中に1件もありませんでした
  • 難のある1本が、買取でいくらになるのか。どの店も公開していません

その13,000円は、Ai-Sと書いた17件のうち、15件より下の値段です。安すぎたのか、あの難なら妥当だったのか。これも、今回のデータからは言えませんでした。

調査日とデータの前提

  • 調査日:2026年10月13日(メルカリの売り切れ/買取3社が公式に出している買取額/ニコン公式の仕様)
  • 対象は、マニュアルフォーカスの28mm F2.8のレンズ単体です。検索で出てきた88件から、オートフォーカスの28mm F2.8、Zマウントのレンズ、フードだけの出品、ボディとのセットなど55件を除いて、33件を残しました
  • 見たのは「売り切れ」だけです。2026年7月の後半ごろより後に出品されて、10月13日までに売り切れたもの。売り切れた日は、出品ページからは読み取れませんでした
  • 型は、タイトルと説明文に出品者が書いた言葉のとおりに分けました
  • 33件のうち4件は「送料別」か「着払い」で、表示の値段のまま数えています。この記事に出てくる13,000円の1本は、33件に入れていません
  • eBayとヤフオクの相場は、今回調べていません

同じ「28mm F2.8」で、相場のまんなかは約2.9倍ちがう

出品者が書いた型件数中央値売れた値段の幅
Ai-S17件35,800円11,380〜50,800円
Ai14件12,400円6,700〜22,980円
型を書いていない2件2件なので出しません3,000円・5,000円
Nikon 28mm F2.8がメルカリで売れた値段を、1件ずつ点で並べた図。Ai-Sと書いた17件の中央値は35,800円、Aiと書いた14件は12,400円。前玉に薄いスレのあるAi-Sの1本は13,000円で、Aiの中央値の近くにある

Aiと書いた出品でいちばん高く売れたのは、22,980円でした。Ai-Sと書いた17件のうち、それより安く売れたのは3件(11,380円・11,500円・20,400円)。11,380円は「絞り羽根が動かない」と書かれた品です。

名前は1文字ちがいでも、中身は別のレンズです。ニコン公式の「ニッコール千夜一夜物語」によると、Aiの28mm F2.8は1977年の発売で、光学系は1974年のレンズのまま。1981年のAi-Sで、光学設計が新しくなりました。Ai-Sの最短撮影距離は0.2m。20cmというのは広角レンズの中でとても短い、と同じページに説明があります。

状態で分けても、型の差は残っていました。

型説明文に書かれた状態件数中央値売れた値段の幅
Ai-S難の記載なし(チリ・ホコリだけ、を含む)8件44,465円20,400〜50,800円
Ai-Sカビ・くもり5件35,000円30,000〜49,080円
Ai難の記載なし4件17,000円12,800〜22,980円
Aiカビ・くもり7件9,000円6,700〜14,800円

残りの9件は、油染み、前玉の点傷、動かないものなどに1〜3件ずつ分かれるので、まんなかの値は出しません。

出品者の種類でも値段は分かれます。Ai-Sの17件のうち11件はメルカリShops(お店)の出品で、中央値は43,580円。個人の6件は33,500円でした。Aiは、お店の7件が13,380円、個人の7件が12,000円。個人で出す人に近い数字は、Ai-Sなら33,500円のほうです。

型の名前そのものは、ほとんどの出品に入っていました。33件のうち31件が、タイトルに「Ai」か「Ai-S」を書いています(第3号のNikon F3では、36件のうち16件がファインダーの種類を書いていませんでした)。少なかったのは根拠のほうです。最短撮影距離を文字で書いていた出品は、3件だけでした。

型は、距離目盛りのいちばん近い数字で確かめる

手元のレンズがどちらの型なのか。箱も説明書もないとき、確かめる場所はレンズそのものにあります。

ニコン公式の仕様ページでは、AI Nikkor 28mm f/2.8S(Ai-S)の最短撮影距離は0.2m、距離目盛りも0.2mまでです。ピントリングの距離の数字が「0.2」まであれば、Ai-Sの公式の仕様と合います。

逆は、同じ強さでは言えません。Ai(1977年)の最短撮影距離は、ニコン公式のページに見当たりませんでした。手元にあるのは観察です。「Ai」と書いた売り切れ14件を1件ずつ開くと、13件は写真か説明文で、近い側の端が0.3でした。残る1件は写真に端の数字が写っておらず、どちらとも決められません。「Aiと書いてあるのに、写真では0.2まであった」という出品は、見た範囲では0件でした。

確かめる順番は、こうです。

  1. ピントリングに並んだ距離の数字を、近い側の端まで見る。メートルとフィートの2列があるので、メートルのほうを読む
  2. 「0.25」の先に「0.2」があれば、Ai-Sの仕様と合う
  3. 0.3で終わっていたら、見たとおり「最短0.3m」と書く。Aiなのか、それより前の型なのかは、この数字だけでは決められません
  4. もう1つの目印:ニコン公式によると、Ai-Sは絞りリングの最小絞りの数字(このレンズなら22)がオレンジ色です
  5. その数字が読める写真を1枚撮って、出品に入れる
  6. 説明文に「最短撮影距離0.2m(距離目盛りで確認)」のように、見た場所ごと書く

前面の銘板では、分かりませんでした。13,000円で売れた1本の写真では、銘板にあるのは「NIKKOR 28mm 1:2.8」と番号、それに「Nikon」だけ。AiともAi-Sとも書いてありません。

この1本の出品ページを見直すと、型についての言葉は、タイトルと説明文の1行目の「Ai-s NIKKOR 28mm F2.8」だけでした。最短撮影距離は、どこにも書いていません。型は、出品の前に、絞りの数字の色やマウントの凹みを見て、Ai-Sと見分けていました。距離の数字は見ていなかったので、0.25、0.2と並んで0.2で終わっていることに気づいたのは、売れたあとの2026年10月13日、出品に使った写真を見直したときです。横から撮った1枚に写っていました。

数字を書いたら高く売れるのか。そこは、今回のデータでは分かりません。型を書いていなかった2件は3,000円と5,000円でしたが、たった2件です。型を書かないと安くなる、という目安にはなりません。言えるのは、数字と写真があれば、買う人が型を取りちがえずに済む、というところまでです。

前玉にスレのある1本は、13,000円で売れた

2026年7月にメルカリで売れた1本の記録です。

  • タイトルと説明文の1行目:Ai-s NIKKOR 28mm F2.8
  • 説明文に書いた状態:前玉に薄いスレ傷と、小さなコーティングの剥がれ
  • 付属品:前後キャップ
  • 売れた値段:13,000円(送料込み)。コメントは0件
  • 送料:750円(宅急便60サイズ)

手元に残ったのは、13,000 − 1,300(手数料10%)− 750(送料)= 10,950円です。売上を銀行口座に移すときの振込手数料200円は、別にかかります(送料の引かれ方は、メルカリの手取りの記事に)。

この13,000円を、売り切れの表に置いてみます。Ai-Sと書いた17件に足して18件にすると、安いほうから3番目。中央値の35,800円より22,800円下です。一方、Aiと書いた14件の中央値12,400円とは、600円しかちがいません。Ai-Sとして出した1本が、Aiの相場のまんなかとほぼ同じ値段で売れた、という形です。

安すぎたのでしょうか。

ここが、言えないところです。理由はひとつで、比べる相手がいません。33件の中に、前玉のスレやコーティングの剥がれを書いたAi-Sは1件もありませんでした。近いものを探すと、前面の端に点傷があると書かれたAiが12,800円、後玉の内側に多少のスレキズがあると書かれたAi-Sが44,200円(送料別)。型か、キズの場所か、どちらかがちがう1件ずつです。物差しにはなりません。

言えるのは、まわりの事実です。カビやくもりを書いたAi-Sの5件は、30,000〜49,080円で売れていました。Ai-Sで20,000円を下回ったのは、絞り羽根が動かない品と、光学に汚れが少しあるという品の2件。13,000円は、そのすぐ上にあります。前玉のスレという難が、カビやくもりより重く見られるのか、軽く見られるのか。それを決められる売り切れは、この期間にはありませんでした。

だから、「35,800円で売れたはずだ」とも、「あの難なら13,000円が妥当だった」とも書きません。残るのは、難を書いたAi-Sの1本が、Ai-Sの売り切れのいちばん下のあたりで売れた、という1件の事実だけです。

買取店に出すなら:上限は「良い状態」の金額

買取額を公開している大手3社の表示です(2026年10月13日時点)。

店Ai-SAi下取り・買い替えの場合
フジヤカメラ新品同様 28,000円/良品 27,000円新品同様 9,000円/良品 8,000円10%アップ(Ai-S 30,800円/29,700円、Ai 9,900円/8,800円)
マップカメラ32,000円(ワンプライス買取)6,700円10%アップ(Ai-S 35,200円、Ai 7,370円。ポイント受け取りも)
カメラのキタムラ32,000円(トクトク買取)9,090円(トクトク買取)10%アップ

同じ店の中で、Ai-SはAiの約3.1〜4.8倍。メルカリと同じ向きの差が、買取にもあります。

載せたのは、どれも良い状態のときの金額です。フジヤカメラの表示は新品同様と良品の2段だけで、それより下は出ていません。マップカメラのAi-Sは、決まった額で買い取る「ワンプライス買取」の対象。キタムラの「トクトク買取」は、Bランク(並品)以上なら上限で買い取るしくみで、宅配買取だけが対象です。

フジヤカメラの買取検索には「Ai AF Nikkor 28mm F2.8S」という行もあります。オートフォーカスの別のレンズ(新品同様5,000円/良品4,000円)なので、取りちがえないでください。

難のあるレンズの扱いは、各店の公式ページにこう書かれていました。

  • マップカメラ:クモリやカビは、ワンプライス買取の対象外で、別に見積もり。Q&Aには、キズやホコリがあっても、正常に動いて修理や分解清掃のいらない品は表示の金額のまま、という説明があります
  • カメラのキタムラ:動作不良・カビ・クモリなど「難あり」と判断されたものは、上限での買取の対象外。買取そのものはしています
  • フジヤカメラ:傷や汚れのあるものは買取の対象、故障しているものは対象外

3社のどのページにも見つからなかったものがあります。前玉のスレ傷やコーティングの剥がれを名指しした決まりと、難があるときにいくら下がるかの目安です。マップカメラのQ&Aにある「キズ」に前玉のスレが入るのかどうかも、書かれていません。

13,000円で売れた1本は、査定に出していません。買取でいくらになったのかは、分からないままです。手元に残った10,950円は、Aiの上限(6,700〜9,090円)より上で、Ai-Sの上限(27,000〜32,000円)より下。分かるのは、この位置までです。

難のあるレンズを買取に出すなら、申し込む前に「この状態は、上限(定額)の対象になりますか」と店に聞いておくのが確実です。マップカメラの規約では、契約が成立したあとの返却やキャンセルはできません。宅配で送るときの送料は、3社とも店の負担でした。

良い状態どうしで並べると

難の記載がない出品の中央値から、手数料10%と送料750円(60サイズで送れた場合)を引いて、買取の上限と並べます。

型メルカリの中央値手数料と送料を引いた額買取の上限
Ai-S・難の記載なし(8件)44,465円約39,270円27,000〜32,000円
Ai・難の記載なし(4件)17,000円14,550円6,700〜9,090円

どちらの型も、計算の上ではメルカリのほうが多く残ります。Ai-Sで約7,300〜12,300円、Aiで約5,500〜7,900円。ただ、Ai-Sの8件のうち5件はお店の出品でした。個人が出したAi-Sの6件(中央値33,500円。カビやくもりを書いた品も入っています)で同じ計算をすると29,400円で、買取の上限の幅の中に入ります。買取の上限も査定で下がることがあるので、勝ち負けではなく、位置の目安として見てください。

eBayで売ってきた人へ

この1本をeBayに出すか、国内で手放すか。eBayの相場は今回調べていないので、どちらが多く残るかは言えません。

確かめる場所は、どちらでも同じです。海外の買い手は、実物を手に取れません。距離目盛りの写真と、最短撮影距離の一文は、国内よりも役に立つはずです。説明文には、たとえばこう書けます。

  • Minimum focus distance: 0.2m (checked on the distance scale).
  • Light cleaning marks and a small spot of coating loss on the front element.

EUあては、送料を除く商品価格が150ユーロ以下だと、セラーの前払いが必須になりました(EUの記事)。自分のレンズがその線の上か下かを考えるときも、先に見るのは型です。

この調べ方の限界と、分からなかったこと

  • Ai-Sと書いた17件のうち、写真か説明文で最短0.2mを確かめられたのは3件です。1件は写真に端の数字が写っておらず、残りの13件は写真を開いていません。出品者の表示をそのまま信じた分け方です
  • 売り切れた日と、値下げがあったかどうか。表の値段は、売り切れた時点で表示されていた値段です
  • Ai(1977年)の最短撮影距離。ニコン公式のページには見当たりませんでした
  • 前玉にスレのあるAi-Sが、メルカリでいくらで売れるか。買取でいくらになるか
  • 買取の金額がいつ更新されたものか。画面に日付はありませんでした
  • eBayとヤフオクの相場

まとめ:値段を入れる前に、今日やること

  1. 距離目盛りの近い側の端を見る。「0.2」まであれば、Ai-Sの仕様と合う
  2. メルカリの「売り切れ」を、型ごとに見る。今回はAi-Sと書いた17件の中央値が35,800円、Aiと書いた14件が12,400円でした。個人の出品だけなら、Ai-Sは33,500円(6件)
  3. 自分のレンズと同じ難を書いた売り切れを探す。見つからなければ、その難の相場は「分からない」が答えです。今回、前玉のスレを書いたAi-Sは0件でした
  4. 買取の金額も見る。公開されているのは良い状態の上限で、難があるときの金額は出ていません。気になる難は、申し込む前に店に聞く
  5. 出品するなら、距離目盛りの写真を1枚入れて、最短撮影距離を見た場所ごと書く

シリーズのこれまでの回は、Canon AE-1、Nikon New FM2、Nikon F3、MINOLTA CLE、PENTAX 645、番外編の委託販売です。確かめてから書く、という点では、CLEの電池、645のフィルムバックと今回の距離目盛りは同じ話でした。

13,000円が安すぎたのかどうか、答えは出ませんでした。それでも、型ごとの相場と距離の数字は、値段を入れる前に見られるものです。手元に28mm F2.8があったら、まず距離の数字の端を見てください。0.2か、0.3か。道具もお金もいりません。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

データの出典(調査日:2026年10月13日)

  • メルカリ(jp.mercari.com)販売状況「売り切れ」で絞り込み。マニュアルフォーカスの28mm F2.8・レンズ単体33件(Ai-Sと書いた出品17件/Aiと書いた出品14件/型を書いていない出品2件。個人とメルカリShopsの両方)
  • ニコン公式「AI Nikkor 28mm f/2.8S 主な仕様」:https://nij.nikon.com/products/lineup/nikkor/fmount/ai_nikkor_28mm_f28s/spec.html
  • ニコン公式「ニッコール千夜一夜物語 第五十七夜 AI Nikkor 28mm f/2.8S」:https://nij.nikon.com/enjoy/life/historynikkor/0057/
  • フジヤカメラ 買取検索・買取のご案内・宅配買取の案内(fujiya-camera.co.jp)※「新品同様」「良品」の2段階表示
  • マップカメラ 買取見積・ワンプライス買取・買取Q&A・買取ご利用規約(mapcamera.com)
  • カメラのキタムラ ネット中古 買取り価格の一覧・トクトク買取・直送買取の案内(net-chuko.com/kitamura.jp)
  • 売却の記録:2026年7月、メルカリ、Ai-s NIKKOR 28mm F2.8、13,000円(送料込み・送料750円)

※買取額は各店が公表している上限、または段階別の表示です。実際の査定額は状態によって変わります。手数料率・送料・買取の条件は、各サービスの最新の案内でご確認ください。経理や税金の扱いについては、税理士など専門家にご相談ください。

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