【メルカリvs買取】4つめの出口「委託販売」|手数料はメルカリの3倍なのに、手取りは約1.9倍になりました

メルカリvs買取 番外編。4つめの出口「委託販売」。手数料はメルカリの3倍だが手取りは約1.9倍 比較・まとめ

こんにちは!

米国の関税やEUの新しいルールで、海外のバイヤーに送りにくくなった。手元のカメラやレンズを国内で売るならどこがいいのか——そう考えて買取店の金額を見ると、同じカメラがお店の棚で売られている値段との差に驚くことがあります。銀座で見たCanon AE-1は、店頭で19,000円。買取の上限は9,000円でした。

急いで現金にする必要がないなら、あの店頭価格の側に立てる方法があります。それが委託販売です。カメラを店に預けて、店の棚に並べてもらい、売れたら手数料を引いた額を受け取る仕組みです。

このブログではこれまで、手元の1台を国内のどこで売るかを、機種ごとに比べてきました。

  • 第1号・Canon AE-1=出口で差がつかない機種。メルカリの売値と買取の上限がほぼ同じで、手数料を引くと買取が勝ちうる
  • 第2号・Nikon New FM2=メルカリが明確に有利な機種。ただし「動作未確認」と書いた瞬間、差は500円まで縮む
  • 第3号・Nikon F3=同じ機種の中で結論が割れる。HPは買取、アイレベルはメルカリ
  • 第4号・MINOLTA CLE=確かめてから出す機種。委託なら、いくら残ったかの答え合わせもしています
  • 第5号・PENTAX 645=「ジャンク」と書く前に、0円で確かめる機種

どれも「メルカリか、買取か」の比べ方でした。今回は番外編として、4つめの出口の委託を取り上げます。eBayで売っていたような、1点で値の張るカメラやレンズの逃げ道を探しているなら、とくに知っておいてほしい出口です。理由は、後半の手数料の表で見えてきます。

先に結論を言い切ります。委託は、「待てる人」がいちばん多く残せる出口です。

手数料はメルカリの10%に対して20〜30%。倍以上も高い。それなのに手取りは増えうるのです。今回の試算では、AE-1の手取りがメルカリの約1.9倍になりました。理由は単純で、売値が「店頭価格」になるからです。

ただし、これには条件が4つあります。①1ヶ月の壁/②返送料は自己負担/③保証が付かないので値下げ前提/④時間がかかる。この4つを知らずに預けると、たぶん損をします。順番に見ていき、最後に「預ける前に確かめる5つ」としてまとめます。

調査日とデータの前提

  • 調査日:2026年9月22日(カメラ専門店9社の公式サイトに掲載されている委託販売の条件)
  • 銀座の店頭:2026年9月12日に私が実際に見た値札・掲示です
  • 条件は変わります。この記事の数字は2026年9月22日時点のものとしてお読みください
  • 使ったのは各社の公式サイトに書かれている条件だけです。比較サイト・まとめサイトの数字は使っていません。理由は下に書きます
  • 今回は国内販売の話なので、為替の表記はありません
  • 委託を自分で試した実績はありません。この記事の手取り試算は、第1号で調べたAE-1の実売データと、銀座で見た店頭価格に、各社の公式手数料を当てはめた机上の計算です。「実際にこの金額を受け取った」という記録ではありません。ここは包み隠さず書いておきます

まとめサイトの数字を使わなかった理由

今回、下調べの段階で比較サイトをいくつか見たのですが、公式サイトと数字が食い違っていました。

たとえば、あるまとめサイトはマップカメラの委託手数料を「19%」としていました。しかしマップカメラの公式規約では、10万円未満は30%です。片方だけ見て判断すると、1万円以上の見積もり違いが出ます。

なので、この記事の数字は全部、各社の公式ページから取りました。手間はかかりますが、これが当ブログの方針です。

そもそも委託販売とは何か

言葉は聞いたことがあっても、中身がぼんやりしている方も多いと思います。各社の公式サイトの言葉を借りて、整理します。

トップカメラは、品物を「一旦」預かって、それが「販売された時点で手数料を差し引いた金額」を渡すシステム、と説明しています。

Doppietta-Tokyoは、もう少し具体的です。委託販売は店と相談して「お客様自身が売る値段を決め」、店の商品と同じようにネットや店頭に並べ、「売れるまで商品を預ける」ことだと書かれています。

つまり、こういう仕組みです。

  • 1. カメラを店に預ける(売れるまでは、預けているだけ)
  • 2. 店の商品と同じ棚に、店の値段で並ぶ
  • 3. 売れたら、売値から手数料を引いた額が自分に入る
  • 4. 売れなければ、お金は1円も入らない

買取との違いは、レモン社とカメラのナニワの案内がいちばん分かりやすい言い方をしています。「すぐに現金が必要ない時は委託。急ぎで必要な時は買取。」

これが全部です。委託と買取の違いは、値段の高い安いではなく、「待てるかどうか」。この記事の結論も、結局ここに戻ってきます。

AE-1の「4つめの出口」を、同じ表に並べる

ここが今回の山場です。第1号で調べたCanon AE-1の数字に、委託を足してみます。

出口売値引かれるもの手取り
メルカリ8,200円(レンズ付きの実売)手数料10%=820円約7,380円(送料前)
買取店—なし9,000円(上限・ボディ単体)
委託(レモン社)19,000円(銀座の店頭値札)2万円以下は一律5,000円14,000円
委託(マップカメラ)19,000円(同上)2万円未満は一律6,000円13,000円

数字だけ見ると、おかしなことが起きています。

手数料率は、レモン社で約26%、マップカメラで約32%。メルカリの10%の2.6〜3.2倍です。それなのに——

  • 委託14,000円は、メルカリの手取り7,380円の約1.9倍(差は6,620円)
  • 委託14,000円は、買取の9,000円より5,000円多い(約1.6倍)

手数料を3倍払っているのに、手取りが倍近い。逆転しています。

Canon AE-1を売ったときに手元に残る額の比較。メルカリ7,380円・買取9,000円・委託マップカメラ13,000円・委託レモン社14,000円

なぜ逆転するのか=売値が「店頭価格」になるから

からくりは単純です。引かれる率ではなく、引かれる前の金額が違うのです。

第1号では、こう書きました。「個人は、店頭価格では売れません。」個人の出品には、保証も、検品の信頼も、店舗という看板も付いていないからです。だから比べる相手は店頭価格ではなく、同じ立場の個人が売れた金額だ、と。

委託は、この前提をひっくり返します。自分の品物が、店の棚に、店の値段で並ぶからです。検品も、接客も、店舗という看板も、店のものを借りる形になります。

数字で見ると、こうです。

売値のスタート地点手数料率手取り
メルカリ8,200円(個人の実売)10%約7,380円
委託(レモン社)19,000円(店頭価格)約26%14,000円

スタート地点が2.3倍違えば、率が2.6倍でも追いつきません。これが「手数料が高いのに手取りが増える」の正体です。

ここは慎重に読んでください(3つの但し書き)

数字が気持ちよく出たので、逆に慎重に書いておきます。

1つめ。この14,000円は、実績ではなく試算です。「銀座の店頭に19,000円の値札が付いていた」という事実と、「レモン社の委託手数料は2万円以下なら一律5,000円」という公式の条件を、掛け合わせただけの計算です。実際に19,000円で委託して14,000円を受け取った記録ではありません。

2つめ。19,000円で委託できるとは限りません。ここは大事なので、はっきり書いておきます。あの19,000円の値札は、委託品のものではありませんでした。レモン社では値札を色で分けていて、黄色=店が買い取って自分で売っている中古品/ピンク=委託品という区別です。私が撮ってきた値札は黄色の帯が入ったもの——つまり店が自分の在庫として付けた値段でした。

ですので、この14,000円は「店が付けたのと同じ値段で委託できたら」という仮定の上に立っています。実際に同じ値札が付けられるとは限りません。Doppietta-Tokyoの案内にあるとおり、委託の値段は「店と相談して決める」ものです。そして後で詳しく書きますが、委託品には店の保証が付きません。だから店頭価格と同じ値札は、そもそも付けにくい構造になっています。

3つめ。買取の9,000円とは、同じ土俵ではありません。これは第3号でも同じ注意書きをしました。

  • 委託の19,000円は「AE-1+50mm F1.8」の店頭値札(レンズ付き)
  • 買取の9,000円は「ボディ単体」の金額

条件がそろっていません。レンズも一緒に買取に出せば、買取額も上がるはずです。ただしレンズ単体の買取額は第1号でも調べておらず、ここはデータ不足です。

一方で、メルカリの8,200円はレンズ付きの実売なので、こちらは委託と同じ条件です。委託 14,000円 対 メルカリ 7,380円 の比較は、条件がそろっている——そう読んでください。この記事でいちばん確かなのは、この一行です。

なお、メルカリの7,380円には送料が入っていません。第2号・第3号では60サイズ750円で計算しましたが、AE-1の箱のサイズは測っていないので、ここでは金額を置きません。ただ、送料を引く前ですでに委託が倍近いので、送料を入れれば差はさらに開きます。そして委託は、レモン社なら預けるときの送料が着払いでOKです。

手数料の表:安いものほど、率が重くなります

カメラ専門店7社の委託手数料を、公式サイトから並べます。金額の帯ごとに、3つの表に分けました。

① 高い品・中くらいの品の手数料

店高額帯中額帯
レモン社(銀座・新宿・秋葉原ほか)30万円以上 20%2〜30万円 25%
マップカメラ(新宿)30万円以上 15%10〜30万円 20%/10万円未満 30%
スキヤカメラ(銀座)—25%
Doppietta-Tokyo(広尾)30万円以上 12%10〜30万 18%/5〜10万 20%/3〜5万 25%
東京CAMERA(秋葉原)22万円以上 15%11〜22万 20%/1.98〜11万 30%
カメラの大貫(横浜)—税込 20%
ハヤタ・カメララボ(浅草)—20%

高額帯は12〜20%。ここだけ見ると「思ったより安いな」と感じると思います。30万円のレンズをDoppietta-Tokyoに委託すれば手数料12%で、メルカリの10%とほとんど変わりません。値の張るカメラやレンズほど、委託の手数料は軽くなるということです。

問題は、ここから下です。

② 安い品の手数料は「定額」になります

店低額帯の手数料受付の下限
レモン社2万円以下 一律5,000円記載なし(販売価格は1,000円単位)
マップカメラ2万円未満 一律6,000円税別7,000円
スキヤカメラ1万円以下 一律2,500円記載なし
Doppietta-Tokyo1〜3万円未満 一律8,000円税別10,000円
東京CAMERA最低手数料 一律6,000円19,800円〜
カメラの大貫税込22,000円以下 30%税込11,000円
ハヤタ・カメララボ11,000円以下 一律2,200円記載なし

ここが今回いちばんお伝えしたい、数字のクセです。

定額の手数料は、売値が下がるほど、率としては重くなります。割り算をしてみると一目瞭然です。

売値レモン社(一律5,000円)マップカメラ(一律6,000円)
20,000円25.0%30.0%
15,000円33.3%40.0%
10,000円50.0%60.0%

1万円の品を委託すると、手数料が売値の半分を超えることがあります。これは店が意地悪をしているわけではありません。検品も、出品作業も、棚のスペースも、売値が1万円でも30万円でも同じだけかかるからです。

そして、受付に下限金額を設けている店が多いのも、同じ表から読み取れます。マップカメラは税別7,000円、Doppietta-Tokyoは税別10,000円、カメラの大貫は税込11,000円、東京CAMERAは19,800円からです。

ここで、先ほどのAE-1に話を戻します。銀座の店頭値札は19,000円でした。東京CAMERAの下限は19,800円。800円届きません。

つまり——AE-1クラスの機種は、委託を「受け付けてもらえない店」が出てくる価格帯です。委託が効くのは、もっと上の価格帯だということが、この表からはっきり見えます。

③ 預かってもらえる期間

店預かり期間
レモン社最長6ヶ月。2ヶ月目に10%、以降毎月5%の自動値下げ(最大4回)
マップカメラ1〜3ヶ月未満。3ヶ月後は倉庫保管→順次返却
Doppietta-Tokyo原則2ヶ月。その後は買取/値下げ継続/返却の3択
東京CAMERA基本2ヶ月・最長6ヶ月
カメラの大貫1〜6ヶ月。3ヶ月で10%以上の値下げ相談
ハヤタ・カメララボ原則1年。ただし会員制(初年度年会費5,500円)
スキヤカメラサイト内で記載が食い違っています(下に書きます)

ハヤタ・カメララボの「原則1年」は、他社と比べてかなり長いです。そのかわり会員制で、初年度の年会費が5,500円かかります。扱う品も、原則として同社で修理できるクラシックカメラ・オールドレンズに絞られています。

スキヤカメラについては、分からないことがあります。公式サイトの中で「2ヶ月」と書かれている箇所と「原則一ヶ月」と書かれている箇所があり、どちらが現行なのか判断できませんでした。電話での確認はできていないので、この記事では期間を確定できない、とお伝えするにとどめます。憶測で埋めることはしません。

委託の4つの条件

ここからが、預ける前に知っておきたい話です。

条件①:1ヶ月の壁

「やっぱり返してください」が、無料ではありません。

預けてから1ヶ月未満で引き上げる場合、多くの店でペナルティが設定されています。

店1ヶ月未満で引き上げた場合
マップカメラ委託手数料相当額(=売れたのと同じ額)
カメラの大貫売価の20%
東京CAMERA5,000円
Doppietta-Tokyo5,000円
レモン社3,000円

いちばん重いのはマップカメラです。売れていないのに、売れたときと同じ手数料を払うことになります。AE-1を19,000円で預けて、2週間で気が変わって引き上げたら——6,000円です。カメラは戻ってきますが、手元からは6,000円出ていきます。

ただし、1ヶ月を過ぎれば無料という店が多いです。つまりこれは「1ヶ月は本気で預けてください」という線引きだと読めます。裏を返せば、「来月までに現金が要るかもしれない」という状態で預けてはいけない、ということです。

条件②:返送料は、ほぼ自己負担

売れ残ったときのことを、先に考えておく必要があります。

期間が終わって売れなかった品は、返してもらうことになります。このとき、返送料はほぼ自己負担です。

預けるときの送料は、店によって逆になっているのが面白いところでした。

  • レモン社・カメラの大貫:預けるときは着払いでOK
  • Doppietta-Tokyo:預けるときも元払い(自己負担)

つまり最悪のケースは、こうです。数ヶ月預けて、売れず、返送料を払ってカメラが戻ってくる。手元に残るのはカメラと、送料のマイナスだけ。委託には、この「何も起きない」結末があるということは、必ず頭に入れておいてください。買取なら、その場で現金になります。ここが決定的に違うところです。

輸送中の補償については、積極的に補償を明記している店は見当たりませんでした。むしろ免責の記載のほうが目立ちます。ここもデータ不足で、条件は各店に直接確認してください。

条件③:保証が付かないから、値下げが前提になります

ここが、あまり書かれていない話だと思います。

委託品には、店の保証が付きません。ハヤタ・カメララボの規約には「委託販売品には原則として弊社の保証はございません」と明記されています。

なぜ付かないのか。理屈は分かります。その品の所有者は店ではなく、預けた個人だからです。店は場所と販売を引き受けているだけで、品物の中身を保証する立場にはいません。

そして、この事実が値段に跳ね返ります。Doppietta-Tokyoの案内は、そこを隠さずに書いています。委託品は保証を付けないので、通常の中古品よりも「販売価格を少し低く設定することが早期販売につながります」と。

買い手の立場になれば、当たり前の話です。同じ棚に、保証付きの店の商品と、保証なしの委託品が並んでいる。値段が同じなら、どちらを選ぶか。

つまり、こういう構造になっています。

委託は「店頭価格で売れる」のではなく、「店頭価格より少し下で売れる」出口です。

先ほどの14,000円という試算は、店頭と同じ19,000円で売れた場合の上限値だと考えてください。実際はここから下がる前提で読む必要があります。

条件④:時間がかかります(そして、待つほど値段が下がります)

レモン社は「平均2〜4週間程度で販売できることが多い」と案内しています。2〜4週間で売れれば、話は早い。

問題は、売れなかったときです。レモン社は自動値下げの仕組みを持っています。2ヶ月目に10%、以降は毎月5%ずつ、最大4回。

AE-1の19,000円で、値下げが最後まで進んだらどうなるか。計算してみます。

ここで正確に書いておきます。この5%が「元の値段から」なのか「前月の値段から」なのかは、公式サイトに明記がありませんでした。なので両方で計算します。

計算のしかた4回値下げ後の売値手取り(手数料5,000円を引いた額)
前月の値段から引く場合約14,700円約9,700円
元の値段から引く場合(合計25%)14,250円9,250円

※レモン社の販売価格は1,000円単位なので、実際はこの前後で丸められるはずです。

最後まで値下げが進むと、手取りは約9,250〜9,700円。

思い出してください。買取店の9,000円と、ほとんど同じです。

このとき手数料率は34〜35%まで上がっています。売値が下がっても手数料は5,000円のまま定額だからです。

ここで、この記事の軸がはっきりします。

委託は「早く売れれば14,000円、最後まで売れ残れば買取と同水準」という出口です。

しかも「買取と同水準」になるまでに、半年近く待ち、その間カメラは手元になく、現金も入りません。買取なら、初日に9,000円が手に入ります。

だから——委託は、待てる人のための出口なのです。時間的な余裕がある人だけが、上振れの14,000円を取りにいける。急いでいる人がやると、半年かけて買取と同じ金額にたどり着くことになります。レモン社とカメラのナニワが書いている「すぐに現金が必要ない時は委託。急ぎで必要な時は買取。」は、この構造をひとことで言い当てています。

委託できないものが、意外と多いです

もうひとつ、預ける前に知っておきたいことがあります。委託は、何でも受け付けてもらえるわけではありません。

マップカメラの規約では、こうしたものが対象外と書かれています。

  • ビデオカメラ、大判カメラ、国産の中判カメラ
  • 三脚、カメラバッグ、書籍
  • 機番のないフードやフィルターなどのアクセサリー
  • カビ・クモリ・異音があるもの

さらに、同じ日に預けられるのは10点まで、同一機種は3点までという制限もあります。

レモン社でも、カメラバッグ・三脚・シリアル番号のないアクセサリーは買取のみの扱いです。ハヤタ・カメララボは、原則として同社で修理できるクラシックカメラとオールドレンズに絞られています。

ここから読み取れることは、はっきりしています。

売れ残った雑多な機材を処分する出口として、委託は使えません。

第1号では、買取店の使い方をこう書きました。「メルカリだと送料負けしそうなもの」——低単価のもの、かさばるもの、1点では値が付きにくいもの——を買取店に持っていく、と。その役割を、委託は肩代わりしてくれません。三脚もカメラバッグも、そもそも預かってもらえないからです。

委託が向いているのは、「1点で値段が付く、状態の良いもの」だけだと考えてください。

預ける前に、この5つを確かめる

ここまでの条件は、店ごと・章ごとに散らばっています。手元のカメラに当てはめやすいように、預ける前に見ておくところを5つにまとめました。数字はどれも、この記事で紹介した各社の公式サイトの条件(2026年9月22日時点)です。

  • 1. 店頭相場が、受付の下限を超えているか:マップカメラは税別7,000円、Doppietta-Tokyoは税別10,000円、カメラの大貫は税込11,000円、東京CAMERAは19,800円から。店頭19,000円のAE-1は、東京CAMERAの下限に届きません
  • 2. 売値が、手数料のどの帯に入るか:安い帯は定額の店が多く(レモン社は2万円以下で一律5,000円、マップカメラは2万円未満で一律6,000円)、1万円の品ならレモン社で50%、マップカメラで60%になります。上の帯にも境目があり、マップカメラは10万円を切ると20%から30%に上がります。値下げで境目を割ったときの計算は、第4号のMINOLTA CLEで答え合わせしています
  • 3. 1ヶ月以内に引き上げたくならないか:1ヶ月未満の引き上げには、マップカメラで委託手数料相当額、カメラの大貫で売価の20%、東京CAMERAとDoppietta-Tokyoで5,000円、レモン社で3,000円がかかります
  • 4. 最後まで値下げされたときの手取り:レモン社は2ヶ月目に10%、以降毎月5%(最大4回)。AE-1では、最後まで下がると手取りは約9,250〜9,700円で、買取の9,000円とほぼ並びました。「いちばん下がったときの手取り」と買取額を並べてから決めてください
  • 5. 送料と持ち物:預けるときの送料(レモン社・カメラの大貫は着払いでOK、Doppietta-Tokyoは元払い)と、売れ残って戻るときの返送料(ほぼ自己負担)。それから本人確認書類。カビ・クモリ・異音のあるものや三脚・カメラバッグは受け付けない店があるので、預ける品の状態も先に見ておきます

5つとも問題がなければ、委託は候補に入ります。どれかで引っかかるなら、その品は買取店かメルカリに回したほうが、手元に残る額が読みやすくなります。

銀座で見た、委託の実物

預けた品は、本当に店の棚に並ぶのか。ここで、机上の話ではなく、私が実際に見たものを書きます。2026年9月12日、銀座の中古カメラ店を回ったときのことです。

レモン社銀座:ピンクの値札

レモン社銀座のショーケースには、ピンクの値札が付いた商品が並んでいました。先ほども書いたとおり、ピンク=委託品で、免税の対象外になるという表示です(店が買い取って自分で売っている中古品は、黄色の値札でした)。

委託品は店の所有物ではないので、店が行う免税の手続きに乗せられない。だから色で分けて、ひと目で分かるようにしている、ということだと思います。

売る側として読み取っておきたいのは、こうです。ピンクの値札が付いた商品が、ショーケースの中に、店の商品と並んで置かれている。誰かが預けた品が、現に銀座の棚に並んで、世界中から来るお客さんの目に触れている。この記事で書いてきた仕組みは、絵に描いた餅ではありません。

もうひとつ。免税対象外ということは、海外からのお客さんにとっては委託品のほうが割高になるということでもあります。銀座は海外のお客さんが多い街です。この不利が売れ行きにどう影響するのかは、分かっていません。データがないので、事実の記載にとどめます。

スキヤカメラ:「委託販売 常時受付中」

スキヤカメラの店頭には、「委託販売 常時受付中」という掲示がありました。

これも、読者の皆さんに持ち帰ってほしいことがあります。委託は、特別な人だけの制度ではありません。店頭に「常時受付中」と貼り出されている、ごく普通のサービスだということです。

ただし、スキヤカメラについては先ほど書いたとおり、公式サイトの中で預かり期間の記載が食い違っています。それから、公式サイトの書き方は「ご持参下さい」と読めるので、宅配で送れるのかどうかも分かりません。電話での確認はできていないので、断定はしません。預ける前に、店に確かめてください。

委託の記載が見当たらなかった店について

念のため、書き方に気をつけたいところがあります。

銀座のカツミ堂写真機店、清水商会、三共カメラ——このあたりは、公式サイトに委託販売の記載が見当たりませんでした。カメラのキタムラもそうです。フジヤカメラは2016年の報道があるのですが、現在も受けているかは確認できませんでした。

ですが、これは「やっていない」という意味ではありません。スキヤカメラのように店頭の掲示だけで案内しているケースが現にあるからです。公式サイトに書いていない=やっていない、と読むのは間違いです。気になる店があれば、電話するか、店頭で聞いてみてください。

参考:オークション代行・出品代行との違い

「自分で売らずに誰かに売ってもらう」という意味では、オークション代行・出品代行も似た仕組みです。数字を並べておきます。

サービス手数料
ヤフオク!「おまかせ出品」落札価格の24%(ヤフオク手数料込み)/3,500円未満は一律800円
Quickdo(Aコース)30万円〜9%/5万円〜21%/1万円〜32%/5,000円〜42%
神戸オークション30万円〜10%/2万円〜37%/3,000円〜48%+販売先の手数料
スマイルファクトリー15〜35%+ヤフオクのシステム手数料10%

ここでも「安いほど率が上がる」という同じ構造が出ています。委託の定額手数料と理屈は同じです。

ただし、カメラを預けるという観点では、委託とは性格がかなり違います。ヤフオク!の「おまかせ出品」の条件を見てみると——開始価格は2,800円で固定、段階的に値下げされ、最終的に1円まで下がります。出品条件の変更はできません。返却を希望する場合は1商品1,000円。そして「輸送時の破損について一切責任を負いかねます」と明記されています。

1円まで下がりうる仕組みに、数万円のカメラを預けるのは勇気が要ります。委託販売が「自分で値段を決める」のとは、発想がまるで違う仕組みです。高額なカメラには向かないと考えておくのが無難だと思います。

それから、ひとつ大事な注意です。メルカリは、手元にない商品の出品を禁止しています(メルカリの公式ガイドに記載があります)。「フリマ代行」を名乗るサービスを見かけたときは、この公式の文言をご自分で確認してください。ここは解釈を足さずに、事実だけお伝えします。

法律と税金の話(引用にとどめます)

ここは断定を避けて書きます。私は税理士でも法律の専門家でもありません。

古物営業法

古物営業法には、古物商について次のように書かれています。古物を売買・交換し、または「委託を受けて売買し」もしくは交換することを営業とする者、と。

条文はここまでです。この条文がどう働くかの解釈は、ここではしません。事実として書けるのは、各社とも委託を受けるときに本人確認書類を求めているということです(マップカメラの規約、Doppietta-Tokyo、東京CAMERAの非対面での本人確認の案内などに記載があります)。免許証などを持っていく準備はしておいてください。

税金

こちらも、引用にとどめます。

国税庁のタックスアンサーNo.3105「生活に通常必要な動産の譲渡による所得」には、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は非課税とされる一方で、「貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるもの」は除く、という記載があります。

カメラがこれにどう当てはまるのかを明記した公式の記述は、今回の調査では見つけられませんでした。

ですので、この記事では判断を書きません。委託でも買取でもメルカリでも、金額が大きくなる場合や、継続的に売っている場合の税金の扱いは、必ず税務署か税理士にご確認ください。ここは専門家の領域です。

今回、分からなかったこと

当ブログは、データがないところを憶測で埋めません。今回の不明点をまとめておきます。

  • スキヤカメラの預かり期間:公式サイト内で「2ヶ月」と「原則一ヶ月」の記載が食い違っています。未確認です
  • スキヤカメラの宅配可否:「ご持参下さい」と読める書き方ですが、断定できません
  • ハヤタ・カメララボの返送料負担・入金時期・宅配可否:公式サイトからは読み取れませんでした
  • フジヤカメラが現在も委託を受けているか:2016年の報道はありますが、現行かどうか確認できませんでした
  • 銀座のカツミ堂写真機店・清水商会・三共カメラ:公式サイトに委託の記載がありません。「やっていない」という意味ではありません
  • 輸送中の補償:積極的に補償を明記している店は見当たりませんでした。むしろ免責の記載が目立ちます
  • レモン社の自動値下げの計算方法:元値からか前月比かの明記がありません。本文では両方で計算しました
  • マップカメラに預けるときの送料負担:着払い可否の記載を確認できませんでした
  • 委託品が実際にどれくらいの期間で売れているか:レモン社の「平均2〜4週間程度」という案内以外に、実績のデータはありません
  • 委託の実績:ありません。本文の手取り試算はすべて机上の計算です
  • 免税対象外であることが売れ行きに与える影響:分かりません

まとめ

手元の1点をどこに出すか。選び方の目安は、こうです。

  • 急いで現金にしたい、低単価・かさばるものをまとめて手放したい → 買取店
  • 自分で値段を付けて、状態を説明できる → メルカリ
  • 1点で値段が付く良い品があって、数ヶ月待てる → 委託

委託を選ぶかどうかは、値段よりも「待てるかどうか」で決まります。待てるなら、預ける前に上の5つを確かめてください。値の張るものほど手数料の率は下がるので、海外に送りにくくなった良い品の逃げ道として、委託は候補に入ります。ここから下は、この記事の要点です。

  • 委託は「4つめの出口」です。メルカリ・ヤフオク・買取に続く選択肢で、自分の品物が店の棚に、店の値段で並びます(2026年9月22日時点の各社公式サイトより)
  • 手数料はメルカリの2〜3倍なのに、手取りは増えうる。AE-1の試算では、委託14,000円に対してメルカリの手取りは7,380円。約1.9倍です。理由は売値のスタート地点が店頭価格(19,000円)になるから
  • ただしこの14,000円は、銀座の値札19,000円と公式手数料を掛け合わせた試算です。その値札は黄色=店が自分の在庫として付けた値段で、委託品のものではありません(レモン社はピンク=委託品と色で分けています)。買取の9,000円はボディ単体の金額なので、レンズ付きの委託とは同じ土俵ではありません
  • 高額帯の手数料は12〜20%と意外に安いですが、安い品は定額になります。1万円の品ならレモン社で50%・マップカメラで60%。安いものほど率が重くなるのがこの制度のクセです
  • 受付に下限金額がある店が多い(マップ税別7,000円/Doppietta税別10,000円/大貫税込11,000円/東京CAMERA 19,800円〜)。AE-1の19,000円は東京CAMERAの下限に800円届きません
  • 条件①1ヶ月の壁:1ヶ月未満で引き上げるとペナルティ(マップカメラは委託手数料相当=19,000円の品なら6,000円)
  • 条件②返送料は自己負担:売れなければ、送料のマイナスだけが残ります
  • 条件③保証が付かないので、値下げが前提:委託は「店頭価格で売れる」のではなく「店頭価格より少し下で売れる」出口です
  • 条件④待つほど値段が下がる:レモン社の自動値下げが最後まで進むと、手取りは約9,250〜9,700円で、買取の9,000円とほぼ並びます
  • 委託できないものが多い:三脚・カメラバッグ・書籍・ビデオカメラ・大判・国産中判、カビやクモリ・異音のあるものは対象外(マップカメラ)。雑多な機材の処分には使えません
  • 銀座では現に動いています。レモン社銀座のピンクの値札=委託品(免税対象外)、スキヤカメラの店頭には「委託販売 常時受付中」の掲示がありました
  • 分からないことは分からないと書きます。スキヤカメラの預かり期間は公式サイト内で記載が食い違っています。銀座のカツミ堂・清水商会・三共カメラは公式サイトに委託の記載がありませんが、「やっていない」という意味ではありません
  • 税金と法律は断定しません。国税庁の記述を引用するにとどめます。最終確認は税務署・税理士へお願いします
  • 条件は変わります。この記事の数字は2026年9月22日時点のもので、最終確認は各店の公式サイトと問い合わせでお願いします

あわせてどうぞ

シリーズ本編もどうぞ。

  • 第1号・Canon AE-1(出口で差がつかない機種)
  • 第2号・Nikon New FM2(メルカリが明確に有利。ただし「動作未確認」で差は500円)
  • 第3号・Nikon F3(HPは買取、アイレベルはメルカリ)
  • 第4号・MINOLTA CLE(確かめてから出す機種。委託の手取りの答え合わせも)
  • シリーズの起点は米国関税の記事です
  • EU向けのルール変更はEU DDPの記事にまとめています

出口を決めたら、次に読むところはここです。

  • 買取店にする → 第1号に、買取店に向くもの(メルカリだと送料負けしそうなもの)の話があります
  • メルカリにする → 説明文の書き方で手取りが変わります。第2号は「動作未確認」と書いた瞬間に差が500円まで縮んだ回、第4号は確かめてから出した回です
  • 委託にする → この記事の「預ける前に、この5つを確かめる」をもう一度見てから、店に問い合わせてください

「委託が一番得」ではありません。「待てる人には委託が一番得になりうる」です。この「待てるかどうか」は、お金の話ではなく、その人の暮らしの話です。来月の支払いが気になっている状態で、半年預けるのは無理です。それは当たり前のことで、何も悪いことではありません。

手元に1点、状態の良いカメラがあって、急いでいない——そんなときだけ、委託を思い出してみてください。ショーケースのピンクの値札は、あなたのカメラかもしれません。それでは、また次の記事でお会いしましょう!


データの出典(調査日:2026年9月22日/銀座の店頭:2026年9月12日)

すべて各社の公式サイトに掲載されている条件です(2026年9月22日確認)。比較サイト・まとめサイトの数字は使っていません(公式と食い違いを確認したため)。

  • レモン社 委託販売のご案内(lemonsha.com)
  • マップカメラ 委託販売規約/委託販売の流れ(mapcamera.com)
  • スキヤカメラ サービスのご案内(sukiya.co.jp)※預かり期間はサイト内で記載が食い違っています
  • Doppietta-Tokyo 委託販売について(doppietta-tokyo.jp)
  • 東京CAMERA 委託販売(tokyocamera.net)
  • カメラの大貫 委託販売規約(camera-ohnuki.com)
  • ハヤタ・カメララボ 委託販売について(hayatacamera.co.jp)
  • カメラのナニワ 中古買取・委託(cameranonaniwa.co.jp)
  • トップカメラ 委託販売規約(buy.topcamera.co.jp)
  • ヤフオク!「おまかせ出品」(auctions.yahoo.co.jp)
  • Quickdo 料金体系(quickdo.jp)
  • メルカリ公式ガイド(help.jp.mercari.com)※手元にない商品の出品について
  • 国税庁 タックスアンサー No.3105「生活に通常必要な動産の譲渡による所得」(nta.go.jp)
  • AE-1の実売データ:第1号・Canon AE-1編(調査日2026年9月8日)
  • 銀座の店頭価格・掲示:2026年9月12日にレモン社銀座教会店・スキヤカメラで確認したものです

※手数料率・期間・受付条件は各店の最新の案内でご確認ください。本文の手取りはすべて試算であり、実際の受取額を保証するものではありません。税金の扱いについては税務署または税理士にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました