こんにちは!
店頭調査シリーズの第2弾です。今回は秋葉原を1日で歩いて、目に入った値札を書き留めてきました。そして持ち帰って、「その場で仕入れていたら利益は出たのか」をeBayの実売データから逆算しています。
先に結論を言い切ります。秋葉原は仕入れ場になりませんでした。記録した9点のうち、計算上はっきり黒字になったのはロッコール1本だけ。1勝8敗です。
そして第1弾(中野・新宿の3店)で「次はハードオフなどのリサイクル店を検証する」と予告した件、今回回収しました。結論は仕入れ目的では問題外でした。こちらも本文で書きます。
今回の調査方法と、データの限界
数字の話をする前に、この記事のデータがどういうものかをはっきりさせておきます。
- 調査日:2026年8月1日(土)。秋葉原の7店を1日で歩きました
- 「見るだけ方式」です。何も買っていません。店員さんに在庫を出してもらう、という調査もしていません
- 網羅的な相場調査ではありません。当日その場で目に入った値札を書き留めたn=9の実例集です。同じ店の同じ棚に、翌週まったく違う値札が並んでいる可能性は普通にあります
- カメラのキタムラは値段の記録を取り忘れました。にっしんカメラも値札の記録なしです。この2店は数字の比較に入っていません
- 店頭価格はすべて税込表示です
- 比較に使うeBay売値・ヤフオク仕入れ相場は、当ブログの既存リサーチ記事で裏取り済みの数字です。相場は各記事の調査日時点のものです
- 店名は公開情報の範囲で記載しています。お店の批判ではなく、その日その店で見た値札の事実として読んでください
つまりこの記事は「秋葉原の相場はこうです」という話ではなく、「その日たまたま見た9枚の値札を、eBay基準で計算したらこうなった」という話です。ここは何度でも繰り返します。
結論の表:記録した9点の損益
計算式はシンプルです。
利益 = eBay売値 × 0.82875 − 国際送料(レンズ3,000円/ボディ5,000円) − 店頭価格
0.82875というのは、eBayの手数料約15%と為替の目減り約2.5%を引いた後に手元に残る割合です。この係数の中身はeBayの手数料と利益計算のまとめ記事で分解しています。送料は格安の国際クーリエでの実費見積もりです(最新料金は各自でご確認ください)。
| 品/店 | 店頭価格 | eBay売値(過去記事) | 計算上の利益 |
|---|---|---|---|
| Canon AE-1(ボディのみ)/2nd BASE | 60,500円 | 約19,200円 | −49,600円 |
| Canon AE-1/レモン社アキバ店 | 33,000円 | 約19,200円 | −22,100円 |
| Ai-S Nikkor 50mm f1.4/2nd BASE | 30,000円 | 14,500〜27,900円 | −9,900円(上限で計算) |
| Takumar 50mm f1.4(カビあり)/レモン社アキバ店 | 20,000円 | 約16,000円 | −9,700円(カビありでさらに不利) |
| Super Takumar 55mm f1.8/2nd BASE | 14,300円 | 8,900〜9,900円 | −9,100円(上限で計算) |
| Takumar 50mm f1.4/2nd BASE | 12,100円 | 約16,000円 | −1,800円 |
| SMC Takumar 50mm f1.4(黄変あり)/東京CAMERA | 12,100円 | 約16,000円 | −1,800円(黄変ぶんさらに不利) |
| FD 50mm f1.4(クモリ・カビ跡)/レモン社アキバ店 | 10,000円 | 15,400〜17,400円 | +1,400円(難ありなので実際の売値は下がります) |
| Rokkor/2nd BASE | 6,600円 | 約16,000円 | +3,700円 |
はっきり黒字と言えるのは、いちばん下のロッコール1本だけです。FD 50mm f1.4は計算上プラス1,400円ですが、値札に「クモリ・カビ跡」と書かれた個体です。難あり品はeBayでも相場の上限では売れませんから、この+1,400円は実際には消える可能性が高いと見ています。ここは実測データがないので断定はしません。
AE-1のボディのみ60,500円は、計算するまでもなく、という数字でした。eBayでの売値が約19,200円ですから、手数料も送料も引く前の段階で3倍の開きがあります。
7店を歩いた結果
①GRACE露店(空振り)
土曜10-17時の露店、という情報で向かったのですが、露店ではなく普通の店舗でした。そしてカメラ系の扱いはなし(PCのみ)。外国人のお客さんもいませんでした。完全な空振りです。
②ハードオフ秋葉原1号店(第1弾の宿題・本命だった)

第1弾で「ここが本命かもしれない」と書いた検証対象です。結果を先に書きます。仕入れ目的では問題外でした。
- 青箱(ジャンクの箱)はカメラ・レンズ・アクセサリで各1箱のみ。母数が少なすぎます
- 状態も良くありません。カメラ/レンズの青箱に、キャップ単体が入っている状態でした
- ショーケースもカメラは少数。ゲーム機・レコードプレーヤー・楽器のジャンクが主役の売り場です
- 定番機の値札は見つかりませんでした(記録できる値札がなかった、ということです)
- 外国人のお客さんは多かったです
お店として悪いという話ではまったくありません。カメラを仕入れる場所として見たときに、そもそも商品がない、という結果です。第1弾で立てた仮説は、この店に関してはきれいに外れました。
③2nd BASE(高架下SEEKBASE)

「UDX高架下の店」とは別の店でした。ここが今回いちばん商品が充実していた店です。
- 全体的にきれいで、手に取って見られる機種が多数。状態も良いものが揃っています
- ディスプレイがおしゃれで入りやすい。フィギュア・レコード・車のレトロ用品店と同じフロアです
- 外国人のお客さんが全体の半数。英語対応できる店員さんが1名いました
- ジャンクは入口に少数のみ。フィルムの種類が豊富で、写りの見本冊子が置いてあります
- 難が少なめの商品はショーケースの中です
外国人のお客さんが自分のカメラの状態を相談していたり、フィルムだけ買っていく女性のお客さんがいたり。「売り場」としては明らかに機能している店でした。ただし値札は、上の表のとおりです。今回の9点のうち5点がこの店の値札です。
④カメラのキタムラ 秋葉原中古買取センター

エレベーターで4階。エレベーターまでの通路が、ちょっと入りづらい雰囲気でした。
- ほぼジャンク品。月ごとに入荷時期を示すシールが貼ってあります(7月=青、その前=赤)
- ジャンクコーナーは広め。カビ・クモリありが多く、比較的安価なものが多い印象でした
- 外国人のお客さんは半数くらい。OLYMPUSやクールピクスを見ていて、クールピクスはスマホで何か調べている様子でした
- 英語表記あり。値札の読み方の翻訳まで用意されています(金額はここ、状態はここ、という案内)
- ただし各商品の値札の状態記載は日本語のみでした
- 免税・カードOK
値段の記録を取り忘れました。ここは私のミスです。数字の比較に入れられていません。
⑤レモン社アキバ店

- ジャンクは1人3点までの制限があります
- 英語表記あり。プライスカードの状態ランクを英訳してあります
- 店員さんはおじいちゃん1人。新宿店より狭く、やはり入りにくさはあります
- コンパクトカメラとフィルムを見ているお客さんがいました
値札はAE-1が33,000円・36,000円、FD 50mm f1.4(クモリ・カビ跡)が10,000円、Takumar 50mm f1.4(カビあり)が20,000円でした。
⑥東京CAMERA(+ジャンクガレージ)

今回いちばん独特だったのがここです。普通の店舗の隣に、入口がビニールカーテンの倉庫のような別スペース=ジャンクガレージがあります。
- 店員さんは常駐しません(隣の店舗にいます)。監視カメラのみ設置
- 状態表示なし。値段だけが無造作に機材に貼ってあります
- 状態確認は自由。レンズを装着しても、電池を入れてもOKと書いてあります。「自分で確認してくれ」というスタンスです
- 英語表記あり
- レンズは3,000円くらいから。5,000円のものもありました
ガレージに並んでいたのは状態の良くないものが中心で、私は買う気になれませんでした(ジャンクなので当然といえば当然です)。ただ、地元に住んでいる風の外国人の方が、さらっとジャンクを見に来ていたのが今回いちばんの発見でした。ここに何を見に来ているのかは、聞いていないので分かりません。
値札はSMC Takumar 50mm f1.4(黄変あり)が12,100円でした。
⑦にっしんカメラ

- 外国人のお客さんはなし
- バーの看板がありますが、本当にバーになるのか?という佇まいです
- 店員さん2人。狭く、ショーケース内展示が中心
- ジャンクは少しだけ。雑貨が多い印象でした
値札の記録はありません。こちらも数字の比較に入っていません。
なお、7店のうち2店で、日本人でリサーチをしている様子の方を見かけました。何をしていたかは分かりません。
状態の悪い個体でも、値付けは強気だった
今回いちばん印象に残った観察がこれです。
- FD 50mm f1.4(クモリ・カビ跡):10,000円
- SMC Takumar 50mm f1.4(黄変あり):12,100円
- Takumar 50mm f1.4(カビあり):20,000円
いずれも値札に難があることが明記された個体です。それでもこの価格でした。SMC Takumar 50mm f1.4の12,100円は、状態の良い個体の実売相場(eBay約16,000円)から逆算すると、黄変なしの前提でようやくトントン割れという水準です。黄変ありでそこから売値が下がることを考えると、仕入れ値としては成立しません。
秋葉原で見た9枚の値札は、状態が悪くても価格がそこまで落ちていなかった——これが今回の観察です。ただしn=8です。街全体の傾向だと言うにはまったく足りません。
なぜ秋葉原は仕入れ場にならなかったのか
ここは慎重に書きます。理由は分かりません。店ごとの仕入れ値も、値付けの方針も、私は聞いていないからです。
書けるのは事実だけです。
- 2026年8月1日、秋葉原の店頭で目に入った9枚の値札は、eBayの実売価格から手数料・送料・為替目減りを引くと、8枚が赤字になる水準だった
- 状態に難のある個体でも、その傾向は変わらなかった
- 訪問した多くの店で、外国人のお客さんが2〜5割を占めていた
「海外の買い手が直接店に来ているから価格が下がらない」——そう説明したくなりますが、それは私の推測であってデータではありません。ここは「そういう値付けだった」という事実までにしておきます。
じゃあ店頭調査に意味はないのか
あります。仕入れ場としてはゼロでも、リサーチとしては第1弾より収穫がありました。
- 相場の肌感覚が身につく。「AE-1のボディのみが60,500円」という値札を実際に見ると、自分のeBay基準の数字が正しいのかを毎回検算することになります。ネットの数字を眺めているだけでは、この感覚は育ちません
- 現物を触れる。2nd BASEは手に取れる機種が多く、東京CAMERAのジャンクガレージに至ってはレンズ装着も電池入れも自由です。「Exc+」「クモリあり」が実物でどの程度なのかを、無料で目に焼き付けられる場所です
- 海外の買い手が何を見ているかが分かる。これが今回いちばんの収穫でした。キタムラでクールピクスをスマホで調べている外国人。2nd BASEでフィルムだけ買っていく女性。東京CAMERAのジャンクをさらっと見に来る、地元に住んでいる風の外国人。私たちがeBayで相手にしている買い手が、目の前で商品を選んでいるわけです。どの棚の前で足が止まるのかは、Sold件数の一覧には出てこない情報です
- 店側の海外対応の工夫が参考になる。キタムラの「値札の読み方の翻訳」、レモン社の「状態ランクの英訳」は、そのまま自分の英語出品説明の参考になります。プロが「海外の買い手はここが分からない」と判断した箇所だからです
まとめ
- 2026年8月1日、秋葉原の7店で記録した9枚の値札をeBay基準で計算したところ、黒字はロッコール1本だけ。1勝8敗だった
- 第1弾(中野・新宿)の「仕入れ場には向かなかった」が、別の街でも再現された
- 第1弾で予告したハードオフの検証は「仕入れ目的では問題外」で決着。商品数が少なすぎ、状態も良くなかった
- カビ・クモリ・黄変ありの個体でも、値付けは強気だった
- ただしこれはn=9の実例集であり、秋葉原の相場調査ではない。キタムラ・にっしんカメラは値札の記録がなく、比較に入っていない
- なぜこの値付けなのかは分からない。事実として「そうだった」まで
- 仕入れの主戦場は、第1弾に続いてやはりネット。計算の詳細はeBayの手数料と利益計算のまとめ記事をどうぞ
2回続けて「仕入れ場になりませんでした」という結論になりました。少し残念に聞こえるかもしれませんが、行かなくていい場所が2つ分かったというのは、リサーチの時間を減らすという意味では立派な成果だと思っています。
そして、店頭に足を運ぶこと自体は今回もおすすめしたいです。海外のお客さんがカメラを選んでいる姿を横で見られる場所は、そう多くありませんから。それでは、また次の記事でお会いしましょう!



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