eBayカメラせどりのリサーチって、けっこう手間ですよね。1機種調べるのにeBayのSold履歴を見て、ヤフオクの落札相場を見て、手数料と送料を引いて……。気づいたら1時間溶けてる。
このブログでは、その「調べる時間」を肩代わりするために、実際に売れた数字(出品中の希望価格ではなく、本当に売れた価格)だけを使ってカメラを1機種ずつ検証してきました。
今回はその総まとめの最新版。これまで調べた15機種を「一眼レフ」「高級コンパクト」「オールドレンズ」の3部構成の表で並べて、「結局どれが儲かるの?」に正面から答えます。前回のまとめ(7機種版)から、Olympus OM-1・Contax T3のボディ2機種と、オールドレンズ部門6本がまるごと加わりました。
先に結論を4つ言ってしまうと——①「定番=儲かる」はほぼ成り立たない、②高単価だからラクに儲かるわけでもない、③利益額はボディ、利益率と資金効率はレンズ、④レンズは「世代」より「状態と希少玉」で差がつく。 順番に見ていきます。
※本記事の数字は、それぞれの元記事の調査日時点の実売相場です(各機種の調査日・為替は各元記事に記載)。相場と為替は動くので、仕入れ前には最新のSold実績もあわせて確認してください。
第1部:一眼レフ6機種(ボディ単体・中央値ベース)
まずはボディ単体、中央値どうしで横並びにします。「ふつうに買って、ふつうに売る」とどうなるか、です。
| 機種 | eBay売値(中央) | ヤフオク仕入れ(中央) | 利益の目安(ざっくり) |
|---|---|---|---|
| Nikon FE | 約17,500円 | 約10,000円 | 約+1,600円(キット化で+12,400円) |
| Canon AE-1 | 約19,200円 | 約9,000円 | 約+3,500円 |
| Canon A-1 | 約20,000円 | 約8,000円 | 約+5,000円 |
| Olympus OM-1 | 約20,000円 | 約10,000円 | 約+1,500円〜赤字も |
| Nikon F100 | 約52,000円 | 約43,000円 | ほぼトントン |
| Nikon F3 HP | 約73,600円 | 約47,400円 | 約+5,000〜13,000円 |
前回から加わったのがOlympus OM-1。「小型軽量の名機」として今も語り継がれる機種ですが、実売データで見ると利益は約+1,500円、条件が悪いと赤字もありえる薄利機種でした。名機であることと、せどりで儲かることは別の話——一眼レフ部門の教訓がまたひとつ増えた形です。
第2部:高級コンパクト3機種
| 機種 | eBay売値(中央) | ヤフオク仕入れ(中央) | 利益の目安(ざっくり) |
|---|---|---|---|
| Ricoh GR1 | 約84,000円 | 約60,000円 | 約+4,000円(好条件で+30,000円) |
| CONTAX T2 | 約180,000円 | 約130,000円 | 約+13,000円(利益率約7%) |
| Contax T3 | 約480,000円 | 約380,000円 | 約+11,000円(利益率約2%) |
前回から加わったContax T3が、このブログでも印象的な結果でした。売値は約48万円と全機種で最高。なのに利益は約+11,000円、利益率にすると約2%。仕入れに38万円を投じて、売値18万円のT2と同じくらいの利益しか残らない。売値が高いほど手数料(約15%)の絶対額も重くなるためで、「高すぎて難しい」が実売データの答えでした。
第3部(新設):オールドレンズ6本
今回のまとめで一番大きく変わったのがここ。前回のまとめ以降、「利益率20%を超えられないか?」という仮説からオールドレンズ路線の検証を重ねてきました。結果はこうです。
| レンズ | eBay売値(中央) | ヤフオク仕入れ(中央) | 利益の目安(ざっくり) |
|---|---|---|---|
| Super Takumar 55mm f1.8(3世代ほぼ横並び) | 約8,900〜9,900円 | 約2,000〜3,000円 | +2,000〜3,000円(利益率20〜30%) |
| Super Takumar 50mm f1.4(8枚玉) | 約45,000円 | 約23,000〜29,000円 | 約+8,300円(単価利益は最大級) |
| Nikkor 50mm f1.4(Ai-s) | 約27,900円 | 約14,360円 | +4,400〜6,600円 |
| Canon FD 50mm f1.4(旧FD) | 約15,397円 | 約3,990円 | 約+5,700円(利益率約37%) |
| Minolta Rokkor 50mm f1.4(MC) | 約16,000円 | 約3,080円 | +6,000〜7,100円(利益率約44%) |
| SMC PENTAX 55mm(Kマウント)※参考値 | 約12,200円(n=9) | 約1,750〜2,000円(n=6) | 美品狙い撃ち型(サンプル少のため参考値) |
※レンズの利益は国際送料3,000円ベースで計算しています(ボディは安全側5,000円)。送料はいずれも格安の国際クーリエの実費想定なので、最新料金は各自でご確認を。※Kマウントはサンプル数が少ないため参考値です。
見てのとおり、利益率20%超えがゴロゴロいます。一眼レフ部門で利益率20%を超える機種はほぼありませんでしたが、レンズでは旧FDの37%、Rokkor MCの44%、タクマー55mmの20〜30%と、あっさり超えてきました。仕入れが3,000円前後と軽いので、1本あたりの利益額は数千円でも、資金の回りがまるで違います。
発見①:定番ほど薄利になりやすい(ボディ部門)
- Canon AE-1(世界一売れたフィルム一眼)→ 利益約3,500円
- Nikon F100(高回転の人気機種)→ ほぼトントン
- Olympus OM-1(小型軽量の名機)→ 約+1,500円〜赤字も
どれも「売れやすさ」では一級品。でも利益は薄い。理由は、誰もが知っている定番は、仕入れ側(ヤフオク)の相場もすでに上がっているから。人気は売値だけでなく仕入れ値にも織り込まれていて、利ざやが削られてしまうんです。「とりあえず有名な機種を仕入れれば安心」——これが一番ハマりやすい落とし穴。回転の良さ(売りやすさ)と、利益(儲かりやすさ)は別物です。
発見②:高単価でも”ラクに儲かる”わけではない
高級コンパクト3機種は、1台あたりの利益額ではT2の約+1.3万円、GR1の好条件+3万円と、一眼レフを上回るポテンシャルがあります。ただし手放しでおすすめはできません。
- 仕入れも高額(T2で約13万円、T3にいたっては約38万円)。1台売れるまで大きな額が寝る
- 仕入れ判断をミスったときの損失も大きい
- 売値が上がるほど手数料の絶対額が重くなり、利益率はむしろ下がる(T3は約2%)
一眼レフが「数千円の利益をコツコツ積む」商品なら、高級コンパクトは「1台で1万円超を狙えるが、入る金額も出る金額も大きい」商品。資金と目利きに余裕が出てきた人向けです。
発見③:利益額はボディ、利益率と資金効率はレンズ
3部門を並べて一番ハッキリしたのがこれです。
- 1台(1本)あたりの利益額で見ると、F3 HPやT2などのボディが上(1万円超を狙える)
- 利益率と資金効率で見ると、レンズが圧勝(仕入れ3,000円前後で利益率20〜40%台)
たとえばRokkor MC(仕入れ約3,080円)なら、T2の仕入れ13万円で40本以上仕込めます。1本の利益は+6,000円前後でも、軍資金が少ないうちはこちらのほうが現実的。売値の派手さではなく「引き算の後に何が残るか」「資金が何回転するか」で見るのが、15機種を並べた結論です。
発見④(レンズ部門):「世代」より「状態と希少玉」で差がつく
レンズ路線を掘って分かった、ボディにはなかった法則が2つあります。
その1:世代で選ぶな、状態で選べ。 Super Takumar 55mm f1.8は3世代ありますが、実売価格は約8,900〜9,900円とほぼ横並びでした。「初代が高い」という定説は実売データでは確認できず、価格を分けていたのはクモリ・カビ・キズといったコンディション。一方、Nikkor・FD・Rokkorの御三家は世代(旧FDとNew FDなど)で差が出るタイプ。レンズごとに「世代で差がつく玉」と「状態で差がつく玉」があるので、これを知らずに仕入れると外します。
その2:同じ名前でも”別物”の希少玉がある。 Super Takumar 50mm f1.4には、初期の「8枚玉」というプレミア個体があり、実売中央値は約45,000円。通常品の50mm f1.4クラス(14,000〜17,000円台)の約3倍です。名前は同じでも中身は別物。「M42マウントは強い」と言われる正体も、実はこの8枚玉プレミアでした。マウントで選ぶのではなく、”玉”で選ぶ——これがレンズ路線の総まとめです。
キット化は万能ではない(機種で効果が違う)
- Nikon FE:単体が弱いぶん、キット化の伸びしろが大きい(単体+1,600円→キット化+12,400円)
- Nikon F3 HP:ボディ単体でも十分高く売れるので、無理にキット化しなくてよい
- Canon AE-1:付けるレンズのグレード(f1.4かf1.8か)で上乗せ額が変わる
単体が弱い機種ほどキット化が効き、単体で強い機種は効果が小さい。機種ごとに最適な売り方が違う、というのは今回も変わらない結論です。
結論:カメラせどりで利益を出す4つの軸
- 「売れ筋」より「利幅」で選ぶ。 有名機種は仕入れ値も高い。差額を必ず計算してから仕入れる
- 仕込み(安く・状態よく仕入れる)が勝負。 どの機種も中央値で買うと薄利。相場の下限を粘れるか、状態の良い個体を見抜けるかで利益がほぼ決まる
- 資金が少ないうちはレンズ、育ったらボディ・高級コンパクトも。 利益率と資金効率はレンズ、1台あたりの利益額はボディ。自分の軍資金に合わせて選ぶ
- レンズは「世代か状態か」「希少玉か通常品か」を先に知る。 同じ名前でも別物の玉がある。見分け方ガイドを手元に置いてから仕入れる
そして大前提として、出品中の希望価格ではなく「実際に売れた価格(Sold)」で判断すること。これを外すと、すべての計算が机上の空論になります。
「この機種、調べて!」募集中です
次に何を調べようかな〜と思ってるところなので、リクエスト大歓迎です。気になるカメラやレンズがあったら、コメントで気軽に教えてください。メーカーも機種も問いません。いただいたリクエストは、この記事と同じやり方(eBayの実売データ×ヤフオクの落札相場×利益計算)でしっかり調べて、記事にします。あなたの代わりに、本物の数字で調べてきますね。
各機種の詳しい記事
一眼レフ
- Nikon F100「売れるのに儲からない」編
- Nikon FE「キット化で+1万円」編
- Nikon F3 HP「仕入れ値で勝敗が決まる」編
- Canon AE-1「定番なのに薄利」編
- Canon A-1「シャッター鳴きが価格を分ける」編
- Olympus OM-1「名機なのに薄利」編
高級コンパクト
オールドレンズ
- Super Takumar 55mm f1.8「利益率20%はレンズで超える」編
- Super Takumar 55mm f1.8 3世代「世代で選ぶな、状態で選べ」編
- Super Takumar 50mm f1.4「同じ名前なのに別物(8枚玉)」編
- Nikkor 50mm f1.4「稼ぎ方は世代より見極め」編
- Canon FD 50mm f1.4「古い方が美味しい」編
- Minolta Rokkor 50mm f1.4「御三家の伏兵」編
- M42 vs Kマウント「マウントで商売の型が変わる」編
- 50mm f1.4マウント横断比較「マウントで選ぶな、”玉”で選べ」編
それぞれ、eBayの実売例・ヤフオクの落札相場・利益計算の詳細を載せています。気になる機種から読んでみてください。
※本記事の数字はすべて各記事の調査日時点の実売データに基づくざっくり見積もりです。為替や相場の変動により変わります。仕入れの際はご自身でも最新のSold実績をご確認ください。



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