こんにちは!
アメリカにもEUにも送りにくくなった1台を、国内で売ることにした。メルカリか、買取店か、委託か。このブログでは機種ごとに手取りを比べてきましたが、全部の回を読むひまはない。そんな人のための、まとめの回です。はじめからメルカリやヤフオクで売るつもりの人も、そのまま読めます。
先に答えを書きます。メルカリvs買取シリーズで6機種(カメラ5台とレンズ1本)を比べてきて、出口を分けていたのは機種の名前よりも、次の4つの質問への答えでした。
| 質問 | 「はい」なら | 「いいえ」なら |
|---|---|---|
| 1. 動作を確かめられる? | 確かめたことを書いてメルカリへ。売値が伸びやすい | 「未確認」のままだと、買取との差が小さくなる |
| 2. 型・仕様のちがいを書ける? | 型ごとの相場で出口を選ぶ。型で向きが逆になることも | 先に型を確かめる。分からないまま値段を付けない |
| 3. 売値は送料の10倍以上? | 送料の重みは小さい。買取や委託との差で決める | 買取の店頭持ち込みやまとめ出品とも並べる |
| 4. 1か月以上待てる? | 1点で値が付く状態の良い品なら、委託も候補 | メルカリか買取の2つで決める |

手元の1台をこの4つに当てはめると、どの出口から見ればいいかの見当がつきます。「必ずメルカリ」「必ず買取」という答えはありません。「この答えなら、こちらが多く残った」という形で並べていきます。
この記事の前提
- 新しい調べものはしていません。数字はすべて公開中の各回から拾ったもので、調べた日は回ごとにちがいます(2026年9月8日〜10月13日)
- メルカリは「売り切れ」の実績、買取は各店が公式に出している上限(いちばん良い状態の金額)です
- 国内で売る話なので、為替は出てきません。ヤフオクの落札相場はAE-1の回でしか調べていません
- 書いている私は、いまeBayの出品を休んでいます。メルカリでは今も売っています
質問1|動作を確かめられるか
確かめられるなら、メルカリが伸びやすくなります。確かめないまま「動作未確認」と書くと、売値は下の段に落ちて、買取との差が縮みます。
差がいちばんはっきり出たのは、第2号のNew FM2でした。手数料10%と送料750円を引いた手取りで、動作確認済みのボディは42,450円。買取でいちばん高いフジヤカメラ(新品同様)の32,000円より、10,450円多く残ります。これが「動作未確認」になると手取りは28,500円。フジヤカメラの良品28,000円との差は、500円でした(2026年9月18日)。
ほかの回も、同じ向きです。
| 回 | 動作確認済みの中央値 | 未確認・ジャンクの中央値 |
|---|---|---|
| 第3号 Nikon F3(ボディ) | 48,900円 | 30,000円 |
| 第4号 MINOLTA CLE(ボディ) | 105,900円 | 67,530円 |
| 第5号 PENTAX 645(ボディ中心) | 34,990円 | 12,800円(ジャンク・不動) |
未確認・ジャンクの側はどの回も10件に届かないので、差の大きさは「だいたいこのくらい」と受け取ってください。
確かめるのにかかるお金は、思うより小さいものでした。CLEは電池がないと露出計もシャッター速度も見られないカメラですが、100円ショップのLR44の2個入り(110円)で確かめてから出した1台は、ボディだけで88,000円で売れています。確かめずに出していた場合の手取りは、似た出品の中央値で計算して約60,000円。実際は78,450円で、差は約1万8,000円です。PENTAX 645は、空のフィルムバックを付けたままだと空シャッターが切れないつくりで、外して押すだけ、0円で確かめられます。その回では、この確認をしないままジャンクとして10,000円で売った1台の話を書きました。壊れていたのかどうかは、今も分かりません。
確かめるときに知っておくと早いこと。
- 電池:New FM2とCLEはLR44かSR44を2個。PENTAX 645は単3を6本(同じメーカー・同じ種類の新品でそろえる)。ほかの機種は電池の早見表に
- 順番:電池がなくても見られる巻き上げ・シャッター・ファインダーから。New FM2は電池なしでもシャッターが切れます
- 書き方:「露出計は点灯し、明暗で表示が変わることを確認しました」のように、どう確かめたかまで書く。「フィルムを通しての試し撮りはしていません」と、確かめていないことも同じ調子で
確かめた結果が、いつもメルカリを指すとは限りません。CLEはスレやモルトの傷みがあったので、メルカリの手取り78,450円と、買取の上限80,000〜81,000円がほぼ同じでした。動かなかったときは、動かないと書きます。故障品を買い取らない店もあるので、持ち込む前に各店の案内を見てください。
質問2|型・仕様のちがいを書けるか
同じ名前でも、型や仕様で相場は別物になります。書けないまま出すと、出口の向きそのものを取りちがえることがあります。
分かりやすかったのが、第3号のNikon F3です。手数料と送料を引いて並べると、こうなりました(2026年9月20日)。
| F3の仕様 | メルカリの手取り | 買取(フジヤカメラ) | 多く残る出口 |
|---|---|---|---|
| HPファインダー | 39,750円 | 44,000〜55,000円 | 買取 |
| アイレベル | 42,900円 | 36,000〜40,000円 | メルカリ |
メルカリではアイレベルのほうが高く売れ、買取店は3社ともHPを高く見ていました。理由は分かりませんが、ファインダーがちがうだけで向きが逆です。売り切れ36件のうち16件はどちらかを書いておらず、そのボディ11件の中央値は30,000円でした。書かなかったから安くなった、とまでは言えません。それでも、書かない理由は見当たりません。
第6号のNikon 28mm F2.8も同じ形です。メルカリの中央値は、Ai-Sと書いた出品が35,800円(17件)、Aiと書いた出品が12,400円(14件)で、約2.9倍。買取の上限も、同じ店の中でAi-SはAiの約3.1〜4.8倍でした(2026年10月13日)。型の名前は33件中31件のタイトルに入っていたのに、根拠になる最短撮影距離まで書いた出品は3件だけです。
型を確かめる場所。
- Nikon F3:軍艦部の「HP」の文字と、ファインダーの形
- Nikon 28mm F2.8:距離目盛りの近い側の端。「0.2」まであればAi-Sの仕様(ニコン公式)と合います。最小絞りの数字がオレンジ色なのも、Ai-Sの目印です
- New FM2やPENTAX 645も、名前の似た別モデル(旧FM2・記念モデル、645N・645NIIなど)で買取額が大きくちがいます。刻印で名前を先に確かめます
第6号の1本は、出品の前に最小絞りの数字のオレンジ色とマウントの凹みでAi-Sと見分け、タイトルにもAi-Sと書いて出したものです。前玉に薄いスレがあり、13,000円で売れました。これが安すぎたのかどうかは、言えません。調べた33件に、同じ難を書いたAi-Sが1件もなかったからです。型を書けるのは出発点で、値段は状態と、比べられる売り切れがあるかでも決まります。
質問3|売値は、送料にくらべて十分高いか
メルカリの手取りは「売値の9割」ではありません。手数料10%のあとに、売値に関係なく決まった額の送料が引かれます。
手元に残る額 = 売値 × 0.9 − 送料
| 送料 | 7割残る売値 | 8割残る売値 |
|---|---|---|
| 750円(60サイズ) | 3,750円 | 7,500円 |
| 850円 | 4,250円 | 8,500円 |
| 950円 | 4,750円 | 9,500円 |
送料の5倍の売値で7割、10倍で8割。これより安い品では、送料が手取りを大きく削ります。らくらくメルカリ便の集荷は、取引ごとに100円足されます。PENTAX 645の送料950円は、80サイズの850円に集荷の100円を足した額と合います。
安い品で効いてくるのが、買取の「手数料も送料も引かれない」ところです。第1号のCanon AE-1は、メルカリの動作品の売値8,000〜15,000円に対して、買取の上限が7,800〜9,000円(2026年9月8日)。レンズ付きで8,200円で売れた例は、手数料を引いた時点で7,380円で、ボディだけの買取(フジヤカメラの良品)8,000円に、送料を引く前から届いていません。反対に、高い品では送料の重みはほとんど消えます。CLEの750円は、売値88,000円の0.9%でした。
1万円を切りそうな品は、ほかの道も同じ「残る額」で並べてみてください。
- 買取店の店頭に持ち込む(手数料も送料も引かれない)
- 何点かを1つの出品にまとめる(送料が1回分で済む。まとめるなら出品の時点で)
eBayで売ってきた人には、なじみのある形だと思います。このブログではeBayの手取りを「売値 × 0.82875 − 国際送料」で計算してきました。割合で引かれるものと、決まった額の送料。形は同じです。ちがうのは、メルカリでは送料込みの値札がふつうだという点で、New FM2の売り切れ23件もすべて送料込みでした。
海外と比べるなら、国際送料のような「1件ごとに決まった額」が、メルカリの送料よりずっと大きくなります。海外で何倍で売れればメルカリと同じだけ残るかは、安い付属品、海外と国内のどっちで売る?で計算しました。
質問4|1か月以上待てるか
待てるなら、委託販売が候補に入ります。自分の品が店の棚に店の値段で並ぶので、手数料はメルカリより高くても、売値のスタートが店頭価格になります。
番外編の委託販売の回では、AE-1で試算しました(2026年9月22日時点の各店の公式の条件)。銀座の店頭値札19,000円(レンズ付き)で売れたとして、レモン社の手数料(2万円以下は一律5,000円)を引くと14,000円。メルカリで8,200円(レンズ付き)で売れた例の手取り7,380円の、約1.9倍です。CLEでも、店頭と同じ値段で売れたなら手取りは約108,600〜116,300円でした。どちらも机の上の計算で、実際に委託して受け取った金額ではありません。
そのかわり、条件が4つあります。
- 1か月の壁:1か月未満で引き上げると、店によって3,000円・5,000円・委託手数料相当額などがかかる
- 返送料:売れ残って戻ってくるときの送料は、ほぼ自己負担
- 保証が付かない:委託品には店の保証がなく、店頭より少し下で売れる前提で考える
- 時間:レモン社は2か月目から自動で値下げ。AE-1で最後まで下がると手取りは約9,250〜9,700円で、買取の9,000円とほぼ並ぶ
受け付けてもらえない品もあります。店頭19,000円のAE-1は、東京CAMERAの受付の下限(19,800円)に届きません。マップカメラは、PENTAX 645のような国産の中判カメラや、カビ・クモリ・異音のある品を委託の対象外にしています。値段の境目も要注意で、マップカメラは売値が10万円を切ると手数料が20%から30%に上がり、CLEが99,000円で売れた場合の手取りは69,300円。メルカリにも買取にも負けます。
委託が向くのは、急がない人の、1点で値が付く状態の良い品です。来月までに現金が要るかもしれないなら、メルカリか買取の2つで決めてください。預ける前に見る点は、委託販売の回の「預ける前に、この5つを確かめる」にまとめています。
6機種で、どの質問が効いたか
| 回 | いちばん効いた質問 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 第1号 Canon AE-1 | 3(売値と送料) | 出口で差がつかない。手数料を引くと買取が勝ちうる |
| 第2号 Nikon New FM2 | 1(動作) | 確認済みならメルカリが+10,450円、未確認なら+500円 |
| 第3号 Nikon F3 | 2(仕様) | HPは買取、アイレベルはメルカリ |
| 第4号 MINOLTA CLE | 1(動作)と4(待てるか) | 110円の電池で手取り約+1万8,000円。待てるなら委託の試算はさらに上 |
| 第5号 PENTAX 645 | 1(動作) | フィルムバックを外す0円の確認。確認済みとジャンクの差は約22,000円 |
| 第6号 Nikon 28mm F2.8 | 2(型) | 中央値はAi-S 35,800円、Ai 12,400円 |
| 番外編 委託販売 | 4(待てるか) | AE-1の試算で手取りがメルカリの約1.9倍。条件が4つ |
4つの質問でも決まらないこと
- 難のある1台の相場:同じ難を書いた売り切れがなければ、値段の答えは出ません。28mmの13,000円がそうでした
- 買取の実際の金額:各店が出しているのは上限で、査定で下がることがあります
- 売れるまでの日数:メルカリは売れた日を表示しないので、どの回でも出せていません
- ヤフオクとeBayの相場:ヤフオクはAE-1の回だけ。eBayとは、このシリーズでは比べていません
まとめ:出品の前に、この順で
- 1. 動作を確かめる。電池を用意し、確かめたことを1つずつ書く。動かなければ、動かないと書く
- 2. 型・仕様を確かめ、根拠ごと書く(F3ならHPかアイレベルか、28mmなら距離目盛りの0.2)
- 3. 「売値×0.9−送料」を出す。送料の10倍に届かない品は、買取の店頭持ち込みやまとめ出品とも並べる
- 4. 1か月以上待てて、1点で値が付く状態の良い品なら委託も見る。いちばん下がったときの手取りと買取額を並べてから決める
- 5. 自分の1台に近い回を開いて、いまの売り切れと買取額で数字を見直す
電池を入れる。刻印や目盛りを見る。送料を引いてみる。来月の予定を考える。4つとも、出品の前に、お金をほとんどかけずに答えられます。送りにくくなった1台が、いちばん多く残る出口へ向かいますように。
シリーズのほかの回
- 第1号・Canon AE-1(出口で差がつかない機種)
- 第2号・Nikon New FM2(「動作未確認」と書くと、差は500円に)
- 第3号・Nikon F3(HPは買取、アイレベルはメルカリ)
- 第4号・MINOLTA CLE(110円の電池で確かめてから出した回)
- 第5号・PENTAX 645(フィルムバックを外して確かめる回)
- 第6号・Nikon Ai-S 28mm F2.8(値段の前に型を見るレンズ)
- 第7号・Canon FD 50mm F1.4(くもりのあるレンズは、くもりなしの約半分)
- 第8号・OLYMPUS μ-II(単焦点もズームもメルカリ。差が大きいのは単焦点)
- 番外編・委託販売(4つめの出口)
- メルカリの手取りの計算(送料の早見表と集荷の100円)
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
※数字は各回の調査日(2026年9月8日〜10月13日)のものです。買取額は各店が公表している上限か段階別の表示で、実際の査定額は状態で変わります。手数料・送料・買取や委託の条件は各サービスの最新の案内で、経理や税金の扱いは税理士など専門家にご確認ください。



コメント