【eBayカメラせどりリサーチ】OLYMPUS μシリーズは”1台か5台かを選ぶ機種”|μ-II 1台で17,166円か、μ zoom 115を5台で23,085円か

機種別リサーチ

こんにちは!

今回のリサーチは、これまでとちょっと違う結果になりました。いつもは「看板の機種と、実際の稼ぎ頭は違う」という話が多かったのですが、今回はどちらも正しいのです。

先に結論です。OLYMPUS μ(ミュー)シリーズを実売データで並べたところ、利益額がいちばん大きい機種と、資金効率(利益÷仕入れ)がいちばん高い機種が、別々の機種に出ました

  • 利益額の王者:μ-II(単焦点35mm F2.8)……1台あたり+17,166円
  • 資金効率の王者:μ zoom 115……利益は+4,617円と小さいものの、資金効率は62%

そして、この2つが同時に成り立つと、こういう問いが生まれます。同じ40,200円を使うなら、μ-IIを1台買うか、μ zoom 115を5台買うか。

計算だけ見れば、5台のほうが利益は多いです。でも5台ということは、出品5回・梱包5回・買い手5人。手間も原価です。この記事では、そこまで含めて並べてみます。

調査日とデータの前提

調査日:2026年8月8日。為替は1USD=157.80円で計算しています(eBayの表示が円だったため、その表示値を実売として扱い、ドル換算しています)。以下、円が実売値、ドルは換算値です。

集計の前提を先に書いておきます。ここを飛ばすと、あとの数字が全部ずれるので。

  • eBay Sold(Item location = Japan・日本発送セラーに限定)と、ヤフオク落札相場(オークフリー調べ・直近180日)のみを使っています。出品中の希望価格は使っていません
  • デジタルの「CAMEDIA μ」は完全に除外しました。名前は同じμですが、フィルム機とは別のカメラです
  • 抜き取り確認をしています。μ-IIの刻印は「OLYMPUS μ[mju:]-II」で、レンズが飛び出さない薄型のクラムシェル(単焦点)。μ zoom 115は前面にズーム鏡胴が飛び出します。この2つを1件ずつ目視で分けました
  • ジャンク・部品取りは集計から除外し、別枠のメモとして書いています
  • 初代μのジャンク相場は n=4 と件数が少なく、参考値です

μシリーズの区分と、名前の罠

このシリーズ、リサーチで最初につまずくのが名前です。似た名前が4つあって、実売価格が最大3.6倍違います。

機種レンズ見た目の特徴
μ-II単焦点 35mm F2.8薄型のクラムシェル。レンズが飛び出さない
μ-II Zoom(Stylus Epic Zoom 80 等)ズームズーム鏡胴あり
初代μ(1991年)単焦点 35mm F3.5クラムシェル。F値がII型と違う
μ zoom 115ズーム 38-115mm前面にズーム鏡胴が飛び出す

いちばん大事なのは、μ-II(単焦点)とμ zoom(ズーム)はまったく別のカメラだということです。名前が似ているだけで、実売は3.6倍違います。ここを混ぜて集計すると、相場観がまるごと壊れます。

見分け方はシンプルで、レンズが飛び出すかどうか。写真を見て前面にズーム鏡胴が出ていたら、それはμ-IIではありません。

「μ-II」と名前に付いていても、ズーム機があります

この罠でいちばん厄介なのが、「μ-II」の名前が付いたズーム機の存在です。たとえばμ[mju:]-II 115 VFという機種は、ボディに「μ[mju:]-II」と刻印されていますが、レンズはZOOM 38-115mm。単焦点35mm F2.8のμ-IIとは別のカメラです。

つまり「μ-II」という表記だけでは、単焦点かズームかは判別できません。実売価格は3.6倍違うのに、です。名前を見て「μ-IIだ、7万円台か」と早合点すると、2万円台の機種に7万円を出すことになります。

判定はレンズを見るのが確実です。レンズが飛び出さず、焦点距離が35mm単独なら単焦点のμ-II。鏡胴が飛び出して「38-115mm」のようなズーム表記があれば別物。商品写真の前面と、レンズ枠の刻印を必ず確認してください。

この「名前が似ている罠」は、当ブログではこれで3例目です。

eBay実売価格(日本セラー・完動品)

機種中央値価格帯件数(n)
μ-II(単焦点35mm F2.8)75,254円56,876〜87,129円77
μ-II Zoom27,724円23,759〜31,684円210
初代μ(35mm F3.5)31,528円26,932〜34,853円25
μ zoom 11520,594円19,010〜22,179円52

μ-II単焦点だけが、はっきり突出しています。μ-II Zoomの約2.7倍、μ zoom 115の約3.6倍。差の正体は分かりやすくて、F2.8の単焦点かどうかです。明るい単焦点で薄型、というフィルムコンパクトの人気条件をそのまま満たしています。

ジャンク・部品取りは別枠です。μ-IIの部品取りは中央 19,725円でした。ジャンクのμ-IIが、完動のμ zoom 115とほぼ同じ値段という構図になっています。

根拠にした売れた例(数件)

  • μ-II単焦点:86,336円(N Mint・8月上旬)/75,254円(All-Weather完動・7月)/19,725円前後(Parts複数)
  • 初代μ:31,684円(完動・7月)/26,932円(Near Mint・1月)/4,428円(Parts・6月)
  • μ zoom 115:22,179円(Mint箱付・8月)/19,010円(Top Mint複数)
  • μ-II Zoom 80:27,724円中心/7,316円前後(Parts)

ヤフオク仕入れ相場(オークフリー調べ)

出典はオークフリー、直近180日です。

機種中央値よくある落札帯(25%〜75%)件数(n)
μ-II(単焦点)40,200円31,500〜49,186円37
μ-II Zoom12,851円5,730〜24,000円36
初代μ15,505円10,900〜18,595円24
μ zoom 1157,450円5,450〜8,800円37

注目したいのはμ-II Zoomの落札帯の広さです。5,730円から24,000円まで、4倍以上に散らばっています。これは「μ-II Zoom」という名前でひとくくりにされている中に、状態も細かい型番もバラバラなものが混ざっているためと思われます。ここは1件ずつ中身を見ないと危ない帯です。

手取りと利益の見積もり

計算のルールを確認しておきます。

  • eBay手数料 約15% + 為替目減り 約2.5%=合わせて売値×0.82875が残る計算
  • そこから国際送料を引きます。コンパクト機ですが、ボディ扱いで安全側に5,000円(格安の国際クーリエで実費数千円。最新の料金は各自でご確認ください)

計算の詳しい中身はeBay手数料の計算の記事にまとめてあります。

機種仕入れ(ヤフオク中央値)売値(eBay中央値)手取り利益資金効率
μ-II(単焦点)40,200円75,254円約57,400円+17,166円43%
μ-II Zoom12,851円27,724円約18,000円+5,126円40%
初代μ15,505円31,528円約21,100円+5,624円36%
μ zoom 1157,450円20,594円約12,100円+4,617円62%

この表、2つの列で1位が違います。利益の列を見ればμ-IIが圧勝。資金効率の列を見ればμ zoom 115が圧勝。どちらの列を見るかで、買うべき機種が変わってしまうのです。

1台か、5台か(ここが山場)

では、実際に並べてみます。手元の資金を40,200円(μ-II 1台分)に固定して、2つの使い道を比べます。

使い道仕入れ合計利益合計作業量
μ-II を1台40,200円+17,166円出品1回・梱包1回・買い手1人
μ zoom 115 を5台37,250円(7,450×5)+23,085円(4,617×5)出品5回・梱包5回・買い手5人

金額だけなら、5台のほうが約5,900円多い。しかも仕入れは3,000円ほど安く済みます。数字の上では、5台の勝ちです。

ただ、その5,900円と引き換えに発生するものを書き出すと、こうなります。

  • 出品作業が5回:写真撮影、動作確認、説明文の英語作成が5台分
  • 梱包・発送が5回:緩衝材、伝票、税関書類も5回分
  • 買い手が5人:質問対応も5人分。返品リスクも5倍
  • 売れ残りリスクが5倍:1台売れなければ在庫は1台ですが、5台のうち2台残れば、資金は2台分寝ます

差額の5,900円を、この作業量で割ってみます。5台方式で増える作業は出品4回・梱包4回・対応4人分1件あたり約1,475円です。

この1,475円を「割に合う」と見るか「割に合わない」と見るかは、実際のところ人によって違います。時間に余裕がある人なら十分な金額ですし、本業が忙しくて週末しか作業できない人なら、1台で終わるほうが確実に良いです。

逆に、資金が40,200円もない人にとっては、そもそも選択の余地がありません。手元に1万円しかなければ、μ-IIは買えません。μ zoom 115なら1台買えて、+4,617円で回収して、次に進めます。資金効率62%というのは、そういう人にとっての生命線です。

ここで前回のMINOLTA CLEの記事で書いたことを思い出しています。あのときは「eBayとメルカリの差は手間賃の範囲」と書きました。今回も構図は同じで、差額を作業回数で割ると、判断できる金額が出てくる。手間は目に見えないので忘れがちですが、原価です。

なので、この記事では「どちらが正しい」とは書きません。書けるのはここまでです。

  • 資金があって、作業時間が限られている人 → μ-IIを1台
  • 資金が少なくて、作業時間はある人 → μ zoom 115を回転させる

あなたの手元にあるのが「お金」なのか「時間」なのか。それで答えが変わります。

【追記】自分が12,000円で売ったμ-II 115 VFを、検算してみた

この記事を公開したあと、もう1機種だけ名指しで調べ直しました。μ[mju:]-II 115 VFです。私が2026年7月21日にメルカリで12,000円で売ったカメラが、まさにこの機種でした。

まず分かったのは、「μ-II 115 VF」と「μ zoom 115」は別機種だということです。上の表で扱った「μ zoom 115」はμ-I世代(刻印は「μ[mju:] ZOOM 115 DELUXE」系)。私が売ったのはμ-II世代で、ボディに「μ[mju:]-II 115 VF」、鏡胴に「ZOOM 38-115mm MULTI AF」と刻印があります。

そして同じ「115」なのに、実売は1.7倍違いました。

機種eBay中央値(日本セラー)ヤフオク中央値
μ zoom 115(μ-I世代)20,594円7,450円
μ-II 115 VF(μ-II世代)35,955円(n=76)21,556円(n=84)

ちなみにeBayの日本セラーのSold 76件は、すべて完動品表記でジャンクの出品はゼロでした。

売った個体の状態と、3つの出口

私が売った個体の状態は、出品時の記載どおりこうです。電源・シャッター・フラッシュ・ズーム、いずれも動作確認済み。レンズにカビ・ホコリなし。外観に多少のスレ、ファインダー内にチリ。付属は本体のみ。つまり完動品です。

出口売値手取り
実際(メルカリ)12,000円9,950円(手数料1,200円・送料850円)
ヤフオク中央値で売れていたら21,556円約19,400円(手数料10%)
eBayで中央値なら35,955円約24,800円(×0.82875 −5,000円)

結果は、はっきりしていました。eBayに出していれば手取りは約24,800円。実際の手取りは9,950円。差は約14,900円で、手取りは2.5倍になっていた計算です。

さらに言えば、国内のヤフオク相場(中央21,556円)と比べても、12,000円は半値に近い。完動品なのに、国内の相場すら下回る値段で手放していました。これは調べずに出したツケです。

CLEでは「国内で正解」だったのに、こちらは逆でした

前回のMINOLTA CLEの記事では、同じ検算をして「国内で売って妥当だった」という結論が出ました。eBayとの差が8,000〜24,000円で、国際発送・英語対応・返品リスクを考えれば手間賃の範囲だったからです。

ところが今回は違いました。手取りが2.5倍になる差は、手間賃では説明がつきません。

同じ人間が、同じ2026年7月に、同じフリマアプリで売った2台です。それなのに正解が逆になりました。

  • MINOLTA CLE(7/28売却)→ 国内で正解だった
  • μ-II 115 VF(7/21売却)→ eBayに出すべきだった

この記事でずっと書いてきた「機種によって答えが変わる」という話は、抽象的な一般論ではありませんでした。自分の1か月の中で、実際に両方起きていたのです。

違いを分けたのは、結局これだけです。内外価格差が、手数料と送料を上回るかどうか。CLEは上回らなかった。μ-II 115 VFは大きく上回った。それだけの話で、勘や経験では見分けられません。売る前に電卓を叩く——本当にそれしかないと、自分の損で確認しました。

「初代は高い」は、GR1だけの話だった

もうひとつ、今回検証したかった仮説があります。

以前のRICOH GR1シリーズのリサーチでは、初代GR1が意外に高いという結果が出ました。後継機のほうがスペックは上なのに、初代にプレミアムが付いていたのです。

では、μでも同じことが起きているのか。答えはNOでした。

機種eBay中央値
初代μ(1991・35mm F3.5)31,528円
μ-II(35mm F2.8)75,254円

初代μはμ-IIの半分以下。プレミアムどころか、素直に後継機のほうが高い結果です。差はレンズのF値(F3.5 と F2.8)で、市場は素直に明るいレンズを評価しています。

つまり「初代は高い」というのは、GR1に固有の現象でした。他の機種に当てはめる前提にはできません。

これ、思い込みとして怖いところです。GR1の記事を読んで「なるほど、初代を狙えばいいのか」と覚えてしまうと、μでは初代を高く買って損をします。法則らしきものを見つけたら、機種ごとに検証し直す。今回それを自分でやって、外れたので書いています。

状態(持病)別のメモ

μ-IIについて、価格が下に振れる表記の傾向がありました。

  • 「フラッシュ不動」「電池を入れても動かない」と書かれた個体は、難ありとして安く出る傾向があります
  • μ-IIのジャンク・部品取りは中央 19,725円。完動品の中央値75,254円に対して、4分の1程度です
  • 初代μのジャンク相場は n=4 と件数が少なく、参考値にとどめます。ここは断定できるだけのデータがありません

μシリーズは電子制御のコンパクト機なので、通電しない個体は基本的に直せないと考えたほうが安全です。仕入れる際は「電池を入れて動くか」の記載を必ず確認してください。

リサーチのコツ

  • eBayは「Item location = Japan」で絞る。通貨表示を変えただけでは米欧のセラーが混ざり、日本から売るときの相場になりません
  • 「mju」「μ」「Stylus」の3つの綴りで検索する。海外では Stylus / Stylus Epic の名前で売られています。片方だけだと件数を取りこぼします
  • 写真でレンズを必ず確認する。タイトルの型番は当てになりません。前面にズーム鏡胴が出ていればμ-IIではない、という判定を1件ずつやってください
  • デジタルの CAMEDIA μ を弾く。同じ「μ」の名前でフィルム機の検索結果に混ざってきます
  • 「μ-II」表記のズーム機に注意する。μ[mju:]-II 115 VF のように、名前に「μ-II」が付いていてもレンズが 38-115mm のズームという機種があります。名前だけで単焦点と決めつけないでください

まとめ

  • 調査日は2026年8月8日、為替1USD=157.80円。eBay Sold(Item location=Japan)とヤフオク落札(オークフリー調べ・直近180日)のみ使用
  • 利益額の1位はμ-II(単焦点)=+17,166円、資金効率の1位はμ zoom 115=62%。1位が2つに分かれた
  • 同じ40,200円を使うなら、μ-II 1台で+17,166円/μ zoom 115を5台で+23,085円。金額では5台方式が約5,900円上
  • ただし5台=出品5回・梱包5回・買い手5人。増える作業1件あたり約1,475円。手間も原価です
  • どちらが正しいかは、あなたの資金と使える時間で決まります。資金があって時間がないなら1台、資金が少なくて時間があるなら5台
  • μ-II(単焦点35mm F2.8)とμ zoom(ズーム)は別物。実売で3.6倍の差。見分けはレンズが飛び出すかどうか
  • 「μ-II」と付いていてもズーム機がある。μ[mju:]-II 115 VF はレンズが 38-115mm のズームで、単焦点のμ-IIとは別物。Leica CL/CLENikon F3P/F3HPに続く3例目
  • 「初代は高い」はGR1固有の現象。初代μ(31,528円)はμ-II(75,254円)の半分以下でした
  • 初代μのジャンク相場は n=4 の参考値。この帯は断定していません
  • 【追記】私が12,000円で売ったμ-II 115 VF(完動品)は、eBay中央値なら手取り約24,800円。実際の手取り9,950円との差は約14,900円(2.5倍)。国内のヤフオク中央値21,556円と比べても半値近く。CLEでは国内が正解だったのに、この機種は逆でした

今回いちばん考えさせられたのは、「利益が大きい機種」と「効率が良い機種」が別だったことです。今までは、良い機種がひとつ見つかればそれが答えだと思っていました。でも今回は答えが2つあって、しかもどちらも間違っていません。

選ぶ基準は機種の側にはなくて、自分の側にあったということなんだと思います。今いくら使えて、週に何時間作業できるのか。それを一度書き出してみると、表のどちらの列を見ればいいのかが決まります。よかったら、次の仕入れの前にやってみてください。

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